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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
29
2019

ビフォア・ミッドナイト

Before Midnight / 2013年 / アメリカ、ギリシャ / 監督:リチャード・リンクレイター / ドラマ、恋愛 / 109分
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作品とともに成長し続ける観客。
【あらすじ】
だいたいケンカしてます。



【感想】
イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー主演のビフォアシリーズの3作目。話が繋がっていますので1作目『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』から鑑賞することをお薦めします。

9年ごとに新作が発表されますが、きちんと映画の中の登場人物も9年分の歳をとっています。リチャード・リンクレイター監督は『6才のボクが、大人になるまで。』でも同じような撮り方をしている。主演のパトリシア・アークエットの6歳のときから18歳になるまでを追いかけている。面白い試みですが、途中で事件とか不祥事とか起こしたらどうすんだろとも思いますけど。それすらも作品になるということなのかな。

『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』(1995年)
『ビフォア・サンセット』(2004年)
『ビフォア・ミッドナイト』(2013年)
また9年後もあるのでしょうか。あったら観ちゃうだろうなあ。

『ビフォア・サンセット』がすごく好きな映画なので期待して観ましたが、今回はですね、ちょっとケンカの場面が長くてげんなりしてしまった。でも、このシリーズのファンであるならばという作品には違いありません。甘いだけではない、二人のその後という感じでした。

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小説家であるジェシー(イーサン・ホーク、右)、環境運動家のセリーヌ(ジュリー・デルピー、左)の会話劇という点では前二作と同じです。ただ、前作の後、二人がこうなっていたのか‥‥という感慨があります。籍は入れてないものの事実婚の状態で一緒に暮らしている。双子のかわいい娘もいる。

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映画が始まって20分弱の間、車中ではカメラが切り替わらない長回しの会話が交わされる。ここでの会話が布石となり、のちのち大ゲンカに発展していく。しかし、長回しは見事なものの、観ているうちに「どこまで長回しで撮るんだろ」とか「NG出したら大変だな」とか、そっちのほうが気になってしまった。そこまで長回さんでもという。技巧的なすごさが先立ってしまい、話が入ってきにくかった。

これはべつに長回しを目的としたわけではなく、二人の自然な雰囲気を撮ったらこの分数になりましたというだけかもしれない。

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今回はやや生々しく性的な会話が多いように感じた。設定では二人は四十歳ぐらいになるのかな。セックスの話は内容もそうですが年齢がわりと重要に思えた。十代の童貞がすると憧れに満ちた妄想と滑稽さにあふれていて微笑ましいときもある。でも、四十近くでされると何かこう生々しくてちょっと観てられない部分も。誰それのをしゃぶったとか、そんな話が出てきて「そんなこと言わんでも‥‥」ってなりましたよ。ここら辺は好みの問題かも。

離婚したジェシーの子供を引き取るか、セリーヌがフランスでの仕事をあきらめてジェシーのいるアメリカに行くかなどデリケートな問題が出てくる。前作『ビフォア・サンセット』まではちょっと変わってはいるものの、それでもロマンチックなラブストーリーであることには変わりはなかった。恋愛物というのは「二人は結婚し、末永く幸せに暮らしました。めでたしめでたし」で終わるが、実は結婚してからの時間のほうが恋愛している時間よりもずっと長いんですよね。

この作品はその長い時間について描いている。もう夢の中だけでは生きていけないという。

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それを感じたのが二人のケンカの場面。セリーヌが服を脱ぎ、セックスにいくのかと思いきや、乳を放り出したままケンカを始めてしまう。もうセリーヌには恥じらいも何もない。照明が明るかろうが関係ない。いやあ、この辺は年季を感じさせました。こうなるよなあ‥‥と変に感心しながら観てしまった。

一緒に生きていくことの困難さ、もちろん幸せもあるにせよですが。そういったものを感じさせてくれる作品でした。しかし、今回は特にセリーヌが好戦的で隙あらばケンカに持ち込もうとしている感じで怖かった。ただ、ジェシーが包容力を見せて踏みとどまるという。あれは紙一重ですよねえ。あそこでグッと堪えて踏みとどまるのか、もういいよと出て行ってしまうのか。地獄は誰のそばにもあるのです。いろいろ考えさせられる映画でした。

リチャード・リンクレイター監督はストーカーのような追っかけっぷりでビフォアシリーズを撮りつづけていますが、次があるとすれば2022年ですね。是非、撮ってほしいなあ。


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