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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
13
2019

博奕打ち 総長賭博

1968年 / 日本 / 監督:山下耕作 / 任侠 / 95分 
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杯を交わした兄弟分でも組のためなら殺らねばならぬ。
【あらすじ】
暴走する兄弟分をとめたい。



【感想】
最近ではめっきり見かけることも少なくなった任侠映画。跡目争いから抗争になるのですが、ストーリーがいいですねえ。三島由紀夫がギリシャ悲劇のようだと評したとか。ギリシャ悲劇ってこんな感じだっけ‥‥?

ま、感情が濃密な人ばかり。感情もそうだが顔も濃いよ。たいへんよろしいですね。

天竜一家の組長荒川が倒れ、跡目問題が浮上する。跡目に推された中井信次郎(鶴田浩二)は辞退。この人は最初から天竜一家にいたわけじゃないのかな。いわば外様というか。渡世の義理を通し、遠慮して辞退したように見える。

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そして次に候補に上がったのがこの人。

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松田鉄男(若山富三郎)。柳沢慎吾さんのモノマネが面白かった。本当にねえ、迫力あるんですよねえ。ところが松田は服役中、組のトップが現場にいないのはまずいということでその下の石戸幸平が組長の座に就くことになる。これが松田は面白くないんですね。結局、自分がなりたかったってことだけど。松田にはそういうところがある。暴れ者だからまったく人の話を聞かない。

松田は中井を慕っていて、中井の言うことだけはかろうじて耳をかす。中井が組長になれば丸く収まったのだが、中井は中井で頑固だから自分が組長にはならないのです。中井がねえ、中間管理職みたいだよ。中井は組織全体のことを考えているのだけど、松田は暴走するわ、オジキ連中は勝手なことばかり言うわ。松田の猪突猛進ぶりは微笑ましくもあるものの、自分のやり方を通すことしか考えていない。

ただ、それぞれが自分の中に正義や道義を持っていて、それが折り合わずに対立するという構図が良かったです。松田の子分である音吉(三上信一郎)が暴走し、石戸を殺そうとするがそれも松田に組を継いでほしいからであり、音吉の暴走の責任を松田がとろうとする姿もいい。

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組が割れるよう、裏で糸を引いていたのが実はこの人(金子信雄、右)なんだけど。顔が面白くていいですねえ。ニコラス・ケイジばりの面白い顔。きっちり制裁されてました。

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中井や松田を支える女たちも芯が強くて良かったですね。藤純子さんが楚々として美しい。和服の着こなしがすごくすてきに見えます。うなじの美しいこと。

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跡目を継げなかった松田は石戸を殺そうとする。石戸が車の後部ドアを開けると、待ち伏せしていた松田がのっそりと出てくるのですが冬眠から覚めた熊のような迫力。ホンモノに見える。松田が怖くてたまりません。

任侠という言葉が生きていた最後の時代だったのかもしれませんね。面白かったです。


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