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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
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2019

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

THE FOUNDER / 2016年 / 監督:ジョン・リー・ハンコック / 実在の人物を基にした映画 /115分
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溺れている奴の口にホースを突っ込め!
【あらすじ】
マクドナルドを乗っ取りました。



【感想】
世界最大のハンバーガーチェーン、マクドナルド。その「創業者」であるレイ・クロックの物語。有名企業の創業者というのは英雄のように描かれることが多いですが、この映画では英雄というより奸雄や梟雄という描かれ方。もうね、マクドナルド行くのやめよかな、となりますよ。

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1954年、アメリカ。52歳のセールスマン、レイ・クロック(マイケル・キートン)はシェイクミキサーのセールスマンとしてアメリカ中西部を駆け回っていた。ある日、一軒の店から8台ものシェイクミキサーの注文が入る。注文ミスかと思ったレイは、直接、店を訪れることにする。だが、彼がそこで目にしたのは革新的なハンバーガーの製造販売システムだった。

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マクドナルドの創業者はモーリス・マック・マクドナルド(ジョン・キャロルリンチ、右)とリチャード・ディック・ジェイ・マクドナルド(ニック・オファーマン、左)のマクドナルド兄弟で、彼らがマクドナルドを作る前はファストフード店はひどい状態だった。商品が提供されるまでの遅さ、注文間違いは当たり前、ゴミは散らかり放題、いいかげんな店員、不良のたまり場という軽い地獄。それらの欠点を徹底的に改良したテイクアウト型のファストフードサービスを始めた。

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レイ・クロックは野心に満ちたエネルギッシュな男で、ノウハウを隠さずに開示してくれるマクドナルド兄弟とフランチャイズ展開の契約を結ぶ。

レイのセリフに「溺れている者の口にホースを突っ込め」というものがある。そうでなければ生き馬の目を抜く世界では生き残れない。マクドナルド兄弟は人がいいんですよね。急速な店舗拡大は味やサービスが落ちるから反対するし、マックシェイクを粉に変えて冷房費用を節約することにも反対する。真面目な経営をしている。レイは店舗拡大しか頭になく、マクドナルド兄弟と対立し、店を乗っ取ってしまう。

レイの卑劣なやり方が強調されており、観ていて嫌な気分になるところもある。ただ、レイのように能力も野心もある男は、マクドナルド兄弟のやり方を黙って見ていられなかったのではないか。目の前に世界のファストフードのあり方を変えるようなすばらしいシステムがあって、田舎者の兄弟は開発者でありながらそのシステムの真の価値に気づいていない。レイが乗っ取ったからこそ、マクドナルドが業界一のファストフードになったのは間違いないだろう。

レイが人間的にどうかは、おいとくとしてだけど。そりゃ、もう人間としてはひどい人ですよ。頭はいいけどモラルは最低。レイは、恩人を裏切ろうが知人の女房を寝取ろうが、苦労したときに支えてくれた妻を捨てようがなんでもありなんですよね。

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マクドナルド兄弟が始めたハンバーガーショップですが、レイは彼らの店で「マクドナルド」という店名を使うことも禁じてしまう。むうううう‥‥。哀愁ただよう背中。

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レイにいろんな提案をする知人の奥さん。この人も野心的な人。二人とも伴侶を捨ててくっつくことになる。お似合い。レイの奥さんは普通の奥さんで、レイにとっては物足りなかったように見える。どちらが悪いということではなく、人間のタイプが違うのかな。

レイのようにエネルギッシュで、ときにモラルなどかなぐり捨てるような人だからこそ、マクドナルドを世界的ハンバーガーチェーンにできたのだろう。だけど、モラルというのはどこまで捨てていいんでしょうね。そんなの仕事では当たり前じゃん、という人もいるかもしれない。アメリカでは糖尿病治療のインスリンを製薬会社が値上げし、薬が買えなくて死んでしまう人が出ている。日本では政府が薬価をコントロールしているので、そのようなことにはならないですが。儲かれば何をやってもいいのか、そういうことを考えるのにいい映画でした。面白かったです。ファウンダー(創業者)というタイトルは皮肉がきいていて最高ですね。

映画公開後、米国マクドナルドの株価がどう推移したか確認しましたが2016年1月から2017年1月まで少し落ち込んだものの、今は持ち直して絶好調という。映画の影響はまったくといっていいほどないようです。


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