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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
22
2019

マダム・フローレンス! 夢見るふたり

FLORENCE FOSTER JENKINS / 2016年 / アメリカ / 監督:スティーヴン・フリアーズ / ドラマ、実在の人物を基にした物語 / 111分
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音痴だと告げないことは美談か?
【あらすじ】
音痴だけど歌手になりたい。



【感想】
音痴のオペラ歌手フローレス・フォスター・ジェンキンスを描いた映画。他に『偉大なるマルグリット』もありますね。あちらはちょっと悲しい終わり方でした。こちらは少しコメディ要素が強いのかな。それにしてもメリル・ストリープ、顔が面白いな。

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音痴でありながらリサイタルを開催し、音痴という自覚がまったくないフローレンス(メリル・ストリープ、右)。夫のシンクレア(ヒュー・グラント、左)や、お抱えピアニストのコズメ・マクムーン(サイモン・ヘルバーグ、下の画像左)などは誰も彼女が音痴だという指摘をしない。

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裸の王様状態でフローレンスはレコードを作り、ついにはカーネギーホールでリサイタルを行うことになる。シンクレアは新聞記者を買収し、リサイタルにはフローレンスに好意的な人しか呼ばないなど徹底的に彼女を守る。これがねえ、美談のように描かれているけどどうなんだろう。フローレンスは親の莫大な遺産を相続しており、どうしても周囲は彼女のお金に群がっているように見える。

だが、この映画の面白さの一つは、曖昧さにあるようにも思えるのだ。彼女を取り巻く人々はたしかに彼女のお金に魅力を感じてはいる。でも、それだけにも見えないという。美人でもないし、歌がうまいわけでもないけど、愛すべき魅力のある人だったのではないか。

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このメリル・ストリープの顔芸。さすが。きちんと音楽指導を受けた後で、あえて下手に歌う練習をしたとのこと。

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シンクレアがフローレンスを愛していたかはよくわからない。彼には年下の美しい愛人もいるし、なぜかフローレンスとは別の住まいもある。ただ、フローレンスは若い頃に梅毒にかかっており、それもあってシンクレアと同衾していないという事情もある様子。あんまりはっきりしていないというか、あえてさせてないのかな。ようするにどうなの? という。

でも、誰かを好きになったとして純粋に100%性格が好き、なんてことはない。性格だけじゃなくて容姿、体、年収、職業、仕草、声、運動能力、ユーモア、知性、他にも数えきれないぐらいさまざまな魅力がある。フローレンスにしても、彼女の財力が大きいとはいえ、彼女自身の魅力もあったのではないか。本当にお金だけが目当てなら、ある程度稼いだら彼女の元から離れるようにも思えるのだ。

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シンクレアがパーティーでダンスを披露する場面がある。これねえ、本当に上手くてワクワクしてしまった。ヒュー・グラントさすがですね。ピアノの伴奏者コズメ役のサイモン・ヘルバーグも10歳からピアノを弾いており、その腕前が本物というのもすごい。

美談かどうかはわからないものの、曖昧さのなかに人生がある。そんなことを思わせる映でした。


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