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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
24
2019

メッセージ

ARRIVAL / 2016年 / アメリカ / 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、原作:テッド・チャン / SF / 116分
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黒いお米がやってきた!
【あらすじ】
異星人がやってきたので目的を知りたい。



【感想】
映画の異星人というのは地球を侵略しに来たり、地球人を拉致したり、だいたい悪いことをやっている。そういうありふれた異星人像を崩したのがスピルバーグ監督の『未知との遭遇』で、そうじゃないやつもいるんだよという。でも、『未知との遭遇』以降、これといって新しい宇宙人像は示されなかったように思える。それでも『コンタクト』や『第9地区』など面白いSF映画はありましたが。

『メッセージ』は久しぶりに、何もかもが新しい! と感じるSF映画でした。『プリズナーズ』『灼熱の魂』『複製された男』などのドゥニ・ヴィルヌーブ監督です。『複製された男』は独特な映像美がありましたが、この映画も映像が幻想的ですばらしかった。

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お米のコマーシャルにいいのではないか。お米が立っている。異星人が乗ってきた黒いお米号。でかい。世界12ヵ所に突如、同時に現れます。目的は不明。

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アメリカ軍から協力を要請された言語学者ルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)は異星人との交流を試みる。異星人の目的が侵略か友好かという単純な二択になっていないところがいい。彼らの目的はおろか、そもそも言葉がわからない。ルイーズたちは、自分の名前を伝えるところから手探りでコミュニケーションをとっていく。相棒の学者はあまりのプレッシャーに吐いちゃったりして。そりゃ、そうだという。何があるかわからず下手すれば死ぬこともあるだろうし、対応を間違えて異星人を怒らせたら世界が滅ぶかもしれない。そういったプレッシャーが巧みに表現されており、観ていて怖くなりました。

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重力がない道だとか、怪しげな部屋の雰囲気がまたいいのです。しかし、異星人の姿がまさかのタコ型という。ここにきて古典か! という驚き。

物語はサピア=ウォーフ仮説が鍵になっている。乱暴な言い方になってしまいますが、言語が違えば思考・認識が異なるのではないか、という仮説です。サピア=ウォーフ仮説についてはここで適当なことを書くより検索してもらえばと思います。

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異星人の文字が始まりも終わりもない円環文字でルイーズがその文字を学習したことにより、異星人の能力(過去と未来を見通す力)を身につける。ここらへんが強引というか、言葉が認知のあり方の一端に影響を与えるというのはある部分では有り得るが、過去と未来を見通す力は、これまた別の能力だと思うのだけど。

異星人が墨のように円環文字を表示するのがユニークですね。ルイーズの娘の名がHANNAH(最初と終わりが繋がる)だったり、映画の時系列が変えられているのもこのテーマと繋がってきて面白い。
 
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 異星人とのコンタクトを中断し、彼らに攻撃を仕掛けようとする中国人をとめるためルイーズがとる方法もうならされる。

高度な知性を持つ異星人が存在したとして、彼らがまるで私たちとは違う存在の仕方をしているのではないかと思うことがある。次元が違って想像もできないような。たとえば、私たちが漫画の登場人物(二次元の住人)であり、彼らはその漫画を楽しむ三次元の住人であるような。二次元しか知らない住人に三次元の世界を想像することは難しい。今までにないところからやってきた新しいSF映画という感じがしました。とても好きな作品です。お薦めです。


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