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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
02
2019

手紙は憶えている

REMEMBER / 2015年 / カナダ、メキシコ、ドイツ、南アフリカ / 監督:アトム・エゴヤン / サスペンス / 94分
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人生の最期に復讐を。
【あらすじ】
友人のためにナチスを殺したい。



【感想】
『デビルズ・ノット』『白い沈黙』など、すっきりしないサスペンスを撮るアトム・エゴヤン監督。その居心地の悪さが変に癖になる。これが味なのかもしれません。このサスペンスはエゴヤン監督にしてはすっきりとした落ちがあります。

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90才のゼヴ(クリストファー・プラマー、右)は、妻を亡くしたことを忘れてしまうほどの認知症。戦時中、ナチスの収容所で暮らした経験を持つ。友人マックス(マーティン・ランドー、左)も戦時中は収容所に収監されていた。マックスはナチスに家族を虐殺され、体の不自由な彼は家族の仇討ちをゼヴに依頼する。マックスは家族を殺した男がルディ・コランダーという名前であることを調べ上げた。しかし、同じ名前を持つ人間は4人いて誰が目的のルディかはわからない。ゼヴは彼らの元を訪れて、会話から正体を探ろうとする。

ゼヴを演じたクリストファー・プラマーは『サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ大佐です。長く活躍されていますね。

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もうねえ、話がちょっと無茶なのはゼヴはかなり進んだ認知症を患っているという。居眠りをしたとき、自分がなぜここにいるかとか、妻がすでに死んでいるとか、そういうことまで忘れてしまう。その状態で仇討ちて‥‥。無茶するなあ。オロオロして具合が悪そうなのでかわいそうになります。がんばって仇を討って!

記憶が10分しか持たないサスペンス『メメント』という作品がありました。自分が何をしているかすぐに忘れるため、全身にタトゥーを入れるという頭おかしい設定だった。あれに似ている。ゼヴはマックスの手紙を持ち歩き、なんとか仇を討とうとするんですね。涙ぐましいぞ。ヨヨヨ‥‥。

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ラストはやや意外な展開。この後、オチに触れています。


実はゼヴは認知症になる前はナチスの収容所の責任者だったんですね。それを憶えておらず、良心の呵責に堪えかねたのか、マックスに信じ込まされたのか、自分も収監されていたユダヤ人の一人と思い込んでいる。ゼヴは、趣味のピアノでワーグナーを弾くなどヒントはある。ヒトラーはワーグナーを崇拝していた。

で、ゼヴが追っていた男も収容所の責任者、二人は同僚でマックスは彼らに同士討ちをさせたかったのだと思う。目的の男にたどり着くまでナチスマニアの男に会ったりしますが、ゼヴは彼を憎んでいる様子がある。

こういった記憶喪失ものを観るとき、いつも考えてしまうのだけど自分がユダヤ人を差別する人間だったとして、記憶を失ったとき、差別感情もいっさい消え失せるのだろうか。そして記憶が戻ったとき、再び差別主義者へと戻ってしまうのだろうか。そこのところがよくわからない。

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きちんとオチもついて、なるほど、という作品なのですが、人生の最期に復讐をというのはやはりあまりにも虚しい。虚しいなんてわかっているし、どれだけ時間が経とうとも憎しみは薄まらない。そういうことなのでしょうか。うーん‥‥まあねえ、そうねのかねえ、なんて思ってしまうところが実にエゴヤン監督らしい作品。リアリティはないものの十分楽しめました。

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老人と銃。いい画像だなあ。好き。こういう画像を集めようかなあ。友人にいきなり送りつけたりしています。

まったく関係ないが、おばちゃんと銃も好きです。『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン-』では二丁拳銃ババアが出てくる。躍動感がすばらしい。

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額に入れて飾りたい。そんな作品でした(適当なまとめ)。


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