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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
16
2019

ザ・メイヤー 特別市民

2016年 / 韓国 / 監督:パク・インジェ / 政界 / 130分
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ドロドロ市長選挙、悪い人しか出てきません。
【あらすじ】
ソウル市長選に立候補した。



【感想】
 政治腐敗を扱った韓国映画はしばしば見かけますが、これも良かったですね。権力への執着がとてもいい。特に悪辣なことをやるでもないところが逆にリアルに感じる。

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現ソウル市長ジョング(チェ・ミンシク)はショー的なパフォーマンスで市民からの支持を集めていた。次期大統領選挙への出馬を見据え、ソウル市長三期目を狙う。ジョング再選のため、選挙対策本部長シム・ヒョクスは手段を選ばずに選挙活動を行っていた。

ソウル市長役のジョングがねえ、前の会社の社長にそっくりなんですよねえ。外面の良さと得体の知れなさが。ふふふ。部下に自分のしている時計をあげるなど人心掌握もうまい。そういう小さなことって、危機に陥ったときに意外と効いてくるんですよね。そういえば、あのときこんなことをしてくれたなあ、あの人は本当は悪い人ではない、みたいな。この映画ではそういった場面はないのですけど。私もネクタイだの傘だの、社長からよくもらったなあ。

言っていることと考えていることが真逆という場面が頻繁にあり、それがとても面白い。

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ジョングをサポートする選対本部長ヒョクス(クァク・ドウォン、左)がまたいい味を出している。彼はジョングの選挙スタッフとして選対本部長を務めながらも、みずからの政界進出も目論んでいる。ヒョクスがジョングに協力するのは、その後のリターンを期待しているからにすぎない。表面的には笑顔で協力しつつ、机の下では足を蹴り合うようなやりとりがたまらないですね。

ヒョクスが、ジョングとの関係を「パートナー」と言うが、ジョングは「パートナーというより戦友だろ?」と笑顔を見せる。この人たち、そんなことちっとも思ってないんですよね。もう、自分以外は敵しかいないという。あああ、おっさん同士の濃密なやりとりがねえ、いいのです。たまらん!

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選挙中にソウル市内で道路陥没事故が起き、現場を視察するジョング。選挙運動を放り出して駆け付けたことを印象づけるためにわざと髪をかき乱したり、車から降りると選挙用のジャンパーを脱いで作業服に袖を通す。沈痛な表情も、すべてがカメラを意識したパフォーマンスでしかない。対策本部のテントでは、豪華なお弁当を食べている。だけど、そのパフォーマンスが市民には効果的なのだろうなあ。

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自分の家族をも犠牲にし、病的とも思える権力への執着が描かれるが、その行き着く先というのはなんなのだろう。それがよくわからないんですよね。政治家として何かを実現したいというよりも、権力を手にすることそれ自体が目的に思える。政治風刺として描かれるから無目的に見えるけど、実際の政治家というのはどうなのだろうとも思いました。

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ジョングの選挙対策本部で広報を務めるパク・ギヨン(シム・ウンギョン)。彼女は濃厚なおじさんたちに押されてちょっと出番が少なかったような。大学の先輩である女性記者(野心がすごい)とのやりとりは良かったですね。ギヨンは最後にジョングを告発したのかな。なんとも言えないけれど。

政治を扱ったものは腐敗や足の引っ張り合い、騙し合いなど醜さが強調されるし、その腐敗っぷりが楽しくて観てしまいます。納豆やくさやを味わう喜びなのだろうか。汚いことをやって権力を手にするのはいいけれど、せめてその先には政治家として成し遂げたい何かがあってほしいと思いながら観ていました。あまり人気はない作品のようですが好きな作品です。おじさん、おばさんがいがみ合うのを観るのが好きな人は是非是非。


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