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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
05
2019

わたしは、ダニエル・ブレイク

I,DANIEL BLAKE / 2016年 / イギリス、フランス、ベルギー / 監督:ケン・ローチ / ドラマ / 100分
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行政が融通きかなくて発狂しそう。
【あらすじ】
パソコンが使えないのでつらいです‥‥。



【感想】
『麦の穂を揺らす風』のケン・ローチ監督作品。社会的弱者をとりあげることが多いケン・ローチ監督ですが、今回はパソコンが使えない大工と仕事のないシングルマザーを描いています。なんともつらい話ですよ。

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システムからこぼれ落ちた人というのは、どこにもいるし、自分もいつ社会から弾き出されてもおかしくないように思う。ダニエル(デイヴ・ジョーンズ、中央上)は長年、大工として働いてきたが心臓の病を患い、医者に仕事をとめられている。国の援助を受けようとするが制度が複雑なのと、パソコンがまったく使えないダニエルは必要な援助を受けることができない。大工だからパソコンの使い方がわからない。

ようやっと必要事項を入力してエンターを押してもタイムアウトでやり直しになったり。おじいちゃんが苦しむのを観るのは切ないです。

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シングルマザーのケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ、左)は二人の子供を抱えて仕事を探すが見つからず、売春をして生計を立てることになる。

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面接で落ちまくるのと、役所の非情な対応を観続けるわけで、なんともしんどい映画。何が悪いのだろうと思いながら観ていた。役所の人間は冷たく映るが、意地悪をしているわけではなくて規則通りに対応している。彼らとしては規則に従うしかない。

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最低限のスキル、資格、教育などを満たしていなかった場合、社会から弾き出されるしかないのか。福祉への申請についての複雑な仕組みは、できる側の人間が作るわけで、できる側の人間が作ったものは、一部のできない人間にはとても使いづらいものになっている。それと、電話が繋がりにくく申請を断念させるようなやり口や、履歴書の書き方講習会など意味のない講座(受講しないと支援が受けられない)などもある。まともに働いてきた人間に屈辱感を与える仕組みになっている。一度、脱落した人間は這い上がることは難しいし、そういった人間に対する同情もない。持つ者と持たざる者の差が激しく、持たざる者を切り捨てているようにも見える。プログラムにはバグやエラーは付きもので、それはすぐに修正されるけど、一度デザインされたシステムはなかなか修正されない。誰もがおかしいと思いながら人が死んでいく。システムを構築する者に想像力と思いやりがない、ということに行き着くのだろうか。なんともやりきれない映画。

真面目な映画ってのは、ちゃんとしたことしか言えなくて難しい。頭が吹っ飛んだり、バカで景気よく人が死ぬ映画が観たくなる。


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