FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
17
2019

小さいおうち

2014年 / 日本 / 監督:山田洋次、原作:中島京子 / ドラマ / 136分
33AL__201905180902461e0.jpg
妖しい奥様。
【あらすじ】
女中として働いていますが奥様の行動が怪しい。



【感想】
山田洋次監督というと切っても切れないのが寅さんで、山田洋次監督が撮るものはどうしても寅さんの延長線上、寅さん的なものを撮るのだろうなという色眼鏡で見てしまう。家族や親族の煩わしさ、面倒くささに悩まされながら、最後にはその家族や親族によって救われるという。そういう安全なもの、お茶の間で家族団欒の際に観ても変な空気にならないもの、それが山田洋次なんだというですね、一定の評価をしつつもどこか少し見切っているというのは大変失礼なのですが、そういった気持ちで観たところ裏切られたという。変な空気になるやつだったわ。いつもの山田洋次ではない作品。怪しい雰囲気が面白かったです。

クリップボード14

玩具会社の役員である平井はモダンな赤い家を建て、美しい妻の時子(松たか子、右)、かわいい息子と誰もがうらやむような暮らしをおくっていた。山形から上京したタキ(黒木華、左)は女中として平井家に奉公することとなる。

クリップボード04x

戦争というと暗く重苦しく、悲惨で誰もが苦しんだ時代と描写することを当然とする圧力があったけれど、タキは回想で戦時下の苦しさを否定する。もう、「あの頃は苦しくて悲惨」という感想だけが許される時代は終わったのかなと考えると、何か嬉しい気もする。楽しかったという人がいたって、それは個人の感想なのだから、そういう人もいただろう。

クリップボード12

時子は夫の部下である板倉正治(吉岡秀隆)と不倫の関係にある。うーむ、しかし山田洋次は同じ人ばっかり使いますね。倍賞千恵子といい、寅さん感が出まくるような。

クリップボード10c

松たか子演じる時子が魅力的。男も女も、仕えているタキもみな彼女のことを好きになってしまう。完璧な性格ということはなく、むしろ癇癪持ちだったり、自分を抑えることができずに板倉に会いに行ってしまったり直情径行な性格に見える。だが、そこが魅力的。

クリップボード08

タキや、時子の友人である松岡睦子(中島朋子、右)なども、時子の妖しい魅力の虜になっているように見える。

クリップボード02

不倫の生々しさだとか、戦時下の嫌な記憶というのはあまり描かれておらず、タキの幸せだった時代というように受け取れる。一般的には不幸であるべき時代なのだろうけど、個人としてのタキはそれでも十分に幸せだったのだろう。描いているテーマに反して、昭和の息吹を感じながらのんびりとした気分で観られる。

こういった形で戦中を描いた映画というのは、あまりないように思える。山田洋次監督の新しい面を見たようにも思う。うーむ、あの年にして新しい面を出してくるというのもすごい話ですけど。松たか子が色っぽくて魅力的でした。


関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment