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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
05
2019

夜に生きる

LIVE BY NIGHT / 2017年 / アメリカ / 監督:ベン・アフレック、原作:デニス・ルヘイン / サスペンス、犯罪 / 129分
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安全安心なベン・アフレック。
【あらすじ】
ギャングになりました。



【感想】
ベン・アフレック主演、監督、脚本、製作。一人四役ですね。

禁酒法時代末期のボストン。ジョー(ベン・アフレック、左)は親が警察幹部でありながら強盗を繰り返していた。ただのチンピラだったジョーは、ギャングのボスであるペスカトーレに自らを売り込み、組織の中でのし上っていく。

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ベン・アフレックが監督し、同様に犯罪者を描いた『ザ・タウン』を観たときにも感じたのだけどベン・アフレックが演じる犯罪者はどこか甘い感じがする。信念を曲げず、卑怯なことや残虐なことはやらない。立派ではあるものの、どこかで「そんな綺麗事だけで成り立つかなあ」とも感じてしまう。なにせギャングですし。

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ジョーはギャングの幹部でありながら、麻薬取引などには手は出さない。カジノ建設の反対者の暗殺を周囲から勧められるが、殺人は行わない。そのためにカジノ建設は頓挫してしまう。家族を愛し、とても大事にしている。ジョーの妻はメキシコ系で白人ではない。彼は人種についても偏見がない。ほんとにギャングなのか。ただのいいお父さんやんけ! となってしまう。

ただ、こういった犯罪者を描くとき、本当にその人間がひどい奴だとしたら感情移入できるのかとは思うんですよね。観客が求めるのは美学や信念があって卑怯なことはしない犯罪者なのかな。そういった犯罪者を描くのがベン・アフレックは上手いのかもしれない。社会の枠からはみ出しているものの、許容範囲内にいてくれる受け入れやすさがある。

その安心安全な感じをどう受け取るかでこの映画の好き嫌いが決まるのかもしれない。もう少し無茶苦茶な人でもいいような。お昼ご飯がまずかったから、なんとなく人を撃つような。頭おかしいですけど。ベン・アフレックは話せばわかる感じがするのだ。

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禁酒法時代の雰囲気が感じられていいですね。白人至上主義団体KKKに勢いがあったり、今と違って人々が熱心に日曜礼拝にも通っている。男女ともに帽子をかぶっている人が多くて服装も品がある。

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一ヵ所、とても印象的な場面があった。強い信仰を持っていたロレッタ・フィギス(エル・ファニング、左)は「今いるここが天国だ」という言葉を遺して自殺する。現世が実は天国なのに、ここがひどい状態にあるのは私たちが滅茶苦茶にしてしまったから、というセリフに驚いた。そういう考え方もあるのか。

彼女はキリスト教徒でありながら、キリスト教で禁じられている自殺をしてしまう。それは自分もこの世を滅茶苦茶にした責任があると考えてのことなのか。それとも滅茶苦茶な世界に堪えられなかったのか。

ギャングの凄惨な殺し合いというより、因果応報やキリスト教の宗教観を感じる作品でした。


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