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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
09
2019

エクスパンス ~巨獣めざめる~(シーズン1~3)

THE EXPANSE / 2015年~ / カナダ、アメリカ / 原作:ジェームズ・S・A・コーリイ / SF、サスペンス / シーズン1(10話)、2(13話)、3(13話) 
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23世紀になっても変わらない民族対立。
【あらすじ】
プロト分子をなんとかしたい。



【感想】
SFドラマというと真っ先に挙がるのが『スター・トレック』だと思います。ついに『スター・トレック』以降の新しいSFドラマが生まれたのではないか。シーズン1は人間関係や背景の説明に終始し、よくわからないままに終わってしまった。それでも十分ワクワクできたけど。面白くなるのはシーズン2以降かな。場面の切り替わりが多くて物語が把握しにくいのと、専門用語などに説明もなくわかりにくい。ふるいにかけられて生き残った者たちがシーズン2以降を楽しめるのです。もっと序盤わかりやすく作んなさいよ、というのはある。

23世紀、人類は宇宙にまで進出。地球、火星、小惑星帯に分かれて暮らしていた。だが、その関係は緊張状態にあり、地球と火星は数十年間の冷戦状態にあった。また、小惑星帯に暮らす人々は地球と火星から収奪され続けることに不満を募らせていた。

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謎に満ちたプロト分子を取り巻く陰謀はサスペンスドラマのようであり、地球、火星、小惑星帯の民族間の対立などは政治ドラマのよう。

地球と火星の冷戦に巻き込まれ、カンタベリー号を破壊されたジェームス・ホールデン(スティーヴン・ストレイト、右)ら乗組員。彼らは火星軍の宇宙船ロシナンテ号に乗り込み、プロト分子を追いかけることに。乗組員の出身はそれぞれ異なっている。地球出身のホールデン、小惑星帯出身のナオミ・ナガタ(ドミニク・ティッパー、左)、地球出身で基本的に全部腕力で解決するエイモス(ウェス・チャサム、下左)、料理好きで温厚な火星人アレックス・カマル(キャス・アンヴァ―、下右)。

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それぞれが愛国心を持っており、それゆえに対立することも多い。民族を超えて人々が協力し合えるか、というのがドラマを貫くテーマの一つになっている。最初はあまり好きではなくても、長時間観ていると愛着がわいて好きになっていくのがドラマのいいところですね。エイモス(左)とか、最初はただの脳筋ゴリラという感じですが、ええ奴ないか! という。脳筋ゴリラなのはシーズン3でも同じだけど。

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人物の描き方がいいんですよねえ。皮肉屋の刑事ジョー・ミラー(トーマス・ジェーン)。当初は上司から押し付けられた人探しを嫌々やっている感じでしたが、その人物を追っていくうちに彼女の行動に次第に感化されていく。なんだかよくわからんひねくれ者だと思っていたけど、いい人なのだ。

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国連事務次長補佐のクリスジェン・アヴァサララ(ショーレ・アグダシュルー、中)。当初は地球の利益しか考えず、そのためにジェームス・ホールデンの暗殺も企てる腹黒おばさんだった。だが、地球・火星・小惑星帯の垣根を越えて活動しようとする姿が頼もしいし、かっこよく映る。さまざまな決断を行わねばならず、またその決断の結果を引き受ける姿勢がいいんですよね。

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プロト分子を巡る陰謀に巻き込まれ、自分が所属する小隊が全滅したドレーパー(フランキー・アダムス)。火星への忠誠心の塊で、地球憎し、喧嘩上等だったものの火星上層部の陰謀に気づいてしまったことで上から目を付けられることに。組織に不正があり、自分が組織の小さな歯車の一つでしかないとき、どう振る舞うか。なかなかつらいものがある。

プロト分子というのは核に似ているのかもしれない。双方が使えばお互いを滅ぼしかねない。だからすべてを廃棄するかというと、相手が持っているのだからそうもいかず研究しないわけにもいかない。みな、プロト分子を手に入れようと画策する。

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小惑星帯タイコ・ステーションの運営代理責任者であるドラマー(キャラ・ジー)。目ぢから姉さん。とにかく眼光がすさまじいお人。プロト分子を巡る争いに乗じて、地球や火星と対等の地位になることを目論む。わかる気もする。

ドラマーとアシュフォード(デヴィッド・ストラザーン、下)の関係も面白い。

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小惑星帯の地位を向上させる目的は同じながら、彼は過激派であるアンダーソン・ドーズの手下なんですね。ドラマーを補佐しながら、その実権を奪取しようとしているかのようでもあり、またドーズの思惑を離れ、本当に小惑星帯のことを考えているようにも見える。複雑な顔を持っている。

単純に誰が正義で誰が悪ということでもない。それぞれに譲れない正義があるから戦争が起きてしまう。また、前線で戦争を食い止めようとしている人々が軍人同士だったり、そこが心を打たれる場面でもある。戦争を強行しようとしているのも軍人だったけど。

宇宙空間の神秘的で美しい映像、各惑星の文化、未来的なガジェットの数々なども観ていて楽しいです。地球は洗練されているものの貧富の差が拡大している。火星はどこか堅苦しく、地球が持つ空と海に憧れている。また、小惑星帯はスラム街のようになっており猥雑な魅力に溢れている。シーズン4はどうなるのかなあ。楽しみ。『巨獣めざめる』の巨獣は本当に出てくるのか。シーズン3まではまったく出ず、巨獣って何よ? となってますけども。謎の邦題。

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主人公ホールデンがちょっとボーっとしているようで独特の魅力がありますね。銃を構えているのにまったく緊張感がない。うーむ。シーズン3では鬱のイタコ状態になり、大丈夫かこの人? となってしまうのだった。なぜ彼がプロト分子と対話できたかというと、ロシナンテ号の船内にプロト分子が残留していたからなのかな。プロト分子の解釈が今までにない未知の物質で面白い。シーズン4が待ちきれませんね。プロト分子で引っ張るのか、まったく別の展開になるのか、わからないけど楽しみです。

わかりにくい作品ですけど、すばらしい出来なのでできるだけ多くの人に観てもらいたいです。ああもう! 本当にすばらしい作品なのに! うまく伝えられないのが歯痒い!


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