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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
10
2019

フード・インク

FOOD,INC. / 2008年 / 監督: ロバート・ケナー / ドキュメンタリー / 94分
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私たちは何を食べている?
【あらすじ】
安価な食品の裏側。



【感想】
ハンバーガーがこれほど安く食べられる裏側では何が行われているか、食料生産の裏側を追った作品。この作品が公開されたのは2008年ですが、そこから改善はされているのでしょうか。

アメリカではコーンが政府の補助金によってかなりの低価格で作られている。供給過剰になった使い道のないコーンは、牛の飼料として消費されるようになった。ところが牛の本来の食事は牧草で、コーンを食べるようにはできていない。牛にコーンを与え続けると大腸菌が耐酸性を持つようになり、危険な大腸菌であるO-157に突然変異を起こす。O-157は動物の腸内に生息している。

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飼育場の牛は一日中、自分の糞尿にまみれてひしめきあっている。一頭がO-157に感染すれば、あっという間に他の牛にも感染していく。飼育場では動物たちを短期間に無理に太らせるため、歩くことができない鶏がいることにも驚いた。生き物を育てるというより、まさに工場なのだ。牛に5日間、コーンではなく牧草を与えれば大腸菌の8割は死滅する。だが企業はそうはしない。

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アメリカではブロッコリー1個よりハンバーガー1個のほうが安い。そのため所得の低い家庭ではジャンクフードを食べざるを得ない。所得の低い家庭ほど肥満率が高いというデータがある。当然、病気にもかかりやすくなる。アメリカ人の破産理由の5割以上は、医療費を支払えないことが原因になっている。『フード・インク』でとりあげられている家族も、父親の高価な薬代が家計の負担になっている。

その原因を作り続けているのはこういった食事であり、低所得の人ほど貧困の連鎖にはまってしまうのではないか。アメリカの医療費についてはマイケル・ムーア監督の『シッコ』が詳しい。

企業は政治家を取り込む。危険な食品を取り締まるべきFDA(アメリカ食品医薬局)のトップや政権、裁判官、官僚、民間の専門家が企業とズブズブの関係にある。抗議しようとする者たちには、有能な弁護士を雇って片っ端から訴える。オプラ・ウィンフリーのように訴訟費用が続けば勝訴できることもあるが、大半は途中で訴訟費用が尽きてしまう。企業は、よくぞここまでと思うぐらい、ひどいやり方をする。

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O-157 によって汚染されたハンバーガーを食べたせいで息子ケビンを失った母親も訴訟に脅えて、はっきりとしたことは言えないのだった。彼女が成立させようとしていたケビン法(問題のある工場を操業停止にできる)は2011年、オバマ政権のときに可決されたそうです。良かった。

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ひどい人だけがいるわけではなく、真面目に農作物を作る人々も出てくる。私たちにできることは、有機栽培や地産地消の物を買うことというメッセージが語られる。たしかにそうではあるものの、だが本当にそれが毎回できるのかというとなかなか難しいようにも思うんですよね。よほどお金があれば別だろうけども。そしてジャンクフードはけっこう美味いという。消費者も企業も、お金だけを求め続けた結果が現在なのかもしれない。


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