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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
12
2019

ザ・トライブ

PLEMYA / 2014年 / ウクライナ、オランダ / 監督:ミロスラヴ・スラボシュピツキー / 学園 / 126分
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【あらすじ】
聾学校に転校したら荒れていた。



【感想】
珍しいウクライナ映画です。全編手話で構成されており、一切字幕のない実験的な作品。登場人物は全員俳優ではない聾唖者。

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この映画では耳が聴こえない人が多数派になっている。彼らが対立し、激しく手話でやりとりする会話の内容はわからず、観ていてもどかしく疎外感が募る。しかし、表情や仕草で半分ぐらいはなんとなく推測できるのだ。あっているかわからないけども。このもどかしさは、普段耳の聴こえない人たちが健常者に感じているもどかしさそのものなのかもしれない。何言ってるんだろうという。

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日本では障害者を悪として描くのは禁じられているというか、過度に自粛しているように感じる。24時間テレビに出るような、障害に負けないすばらしい子供たちしかいないような気さえしてくる。でも、健常者にとんでもなく性格の歪んだ人間がいるように、障害者にだって歪みを持つ人間はいるし、そこに健常と障害の境などない。性格悪い奴はどこにでもいる。で、この映画はまあ、みんなよくケンカしますし、売春しますし、聾学校の教師も売春の手助けや買春をしている様子がある。全員歪みすぎでは。

耳が聴こえないというだけで、ごく普通なんですよね。本当にね、ごく普通の治安の悪い学園物というか。これを普通と感じること、障害も健常も本当はないんだということが重要なのだろうか。

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ウクライナ特有なのか、みょうに荒廃した雰囲気が印象的な映画。対象との距離感が遠く、一歩引いた視点で撮られていてどこか疎外感を感じる画面構成になっています。

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妊娠した女生徒が中絶する場面がある。これがねえ、とんでもなく痛々しい描写なんですよね。医者ではなく個人(産婆か看護師?)らしき女性に頼んでやってもらうのだけど、風呂場で足をひろげて器具を突っ込んで掻きだすような。ヒィィィィ! となる恐ろしさ。もうそこだけが印象に残った。

映画自体はわりと観るのに忍耐がいる作りになっています。だって何言ってるかわからないんだもの。それが狙いだとしてもずいぶんしんどいですよ。


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