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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
10
2019

おとなの事情

perfetti sconosciuti / 2016年 / イタリア / 監督:パオロ・ジェノヴェーゼ / ドラマ、コメディ / 97分
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スマホは全部知っている。
【あらすじ】
私たちには秘密がないのでスマホを見せ合いましょう!



【感想】
イタリア映画ってあんまり日本に入ってこないですよね。もっと入ってこーい。ある夕食会に集まった7人の友人(3つのカップルと一人の計7人)たち。それぞれの携帯電話にかかってきた通話やメールを公開するゲームを始める。だって私たち親友だし、秘密なんてないでしょ! という。

アホか。そのゲーム、不幸にしかならんぞ。密室劇のような作品です。

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人間の嫌な部分、といっても目を背けたくなるほどではなくて、私たちが持っていて、うっかりすると現れるような欠点が見え隠れする。自分の欠点を指摘されているようで、あんまり観たくないな、というのが正直なところでした。そう思わせたのだから、作り手の思惑通りなのかな。

集まったのは友人同士。カップルでいるときは相手より優位に立とうというのを感じるし、集まりになると他のカップルよりも優位に立とうとする様子が見て取れる。そういうのが観ていてわずらわしくなる。私たちはどんな単位でもマウントを取りたがるのか。

友人同士でも、人のことをほっておくとか、比較しないと気が済まないとか、これはもう仕方のないことなのかもしれませんが一々面倒臭く見えるのだ。

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「スマホなんてものがあるからいけないんだ!」と切れだす太っちょの人(中)。ずいぶんとスマホを悪者にするけれど、技術そのものに善悪はないように思える。インターネットがなかった頃に比べると、今は異性(同性でもいいが)と出会える手段は増えているかもしれない。より気軽に恋愛も浮気もできてしまう。そして、何か悪事を働いたときに悪事がネットを介して露見することも増えている。

現代の人間が昔の人間より悪いとか、倫理感がないとか、そうは思わない。人は昔から悪かったが、悪事を為すことも露見することも技術によって機会が増えただけに思える。人そのものの性質はそんなに変わらないし、どちらかといえば教育によって少しはマシになっていると感じる。だが、倫理観が改善するスピードは技術が発達するスピードには到底及ばない。技術に置いてきぼりにされたまま、悪いことだけついやってしまうのではないか。だって便利だし。

人がケンカする映画は好きなのだけど、これはちょっと苦手でしたねえ。なんでだろ。生々しすぎるのかな。こう、もっと「拳で片をつけようぜ!」みたいなのが偏差値25ぐらいのケンカが好きなのかな。

ラストは、急にみんな元通りになり、今までのケンカなどなかったように振る舞います。あの騒動は月が見せた幻ということなのかもしれません。昔の人は想像することすらできなかった超高性能なコンピューターを誰もが手にしているものの、それを使って浮気をしたり、他人を誹謗中傷したり、マウントを取り合うことにしか使わないとしたら、いったい何をしているんだという気持ちにはなる。技術を悪魔のささやきにしてはいけない。もっと有効な使い道があるはず! ゲームとか!

まともな使い道を知りたい。ご先祖様に申し訳がない。

リアルに揉めてる映画が好きな人にお薦めです。


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