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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
28
2019

クワイエット・プレイス

A QUIET PLACE / 2018年 / アメリカ / 監督:ジョン・クラシンスキー / ホラー / 90分
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こんなときだからこそ子供を産む。
【あらすじ】
音を立てるとモンスターが殺しにくる。



【感想】
盲目の老人に追いかけ回されるホラー『ドント・ブリーズ』という作品がありましたが、この映画は異常に耳のいい怪物が殺しにくる。人類は謎の怪物たちに駆逐されてしまい、絶滅の危機に瀕している。主人公家族は田舎で息を潜めて暮らしている。とてもミクロな物語で、どこがどう面白いというわけではないのですが雰囲気が好き。怖くはないかな。

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アメリカの静かな片田舎。80年代から90年代を思わせる街並み。どこか懐かしさを感じさせる。

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4人家族が無人のお店で生活物資をあさる場面から映画は始まる。アポカリプス映画にありがちな、ショッピングセンターで好きな物を好きなだけ漁る場面。ワクワクするんですよねえ。ダリオ・アルジェントの『ゾンビ』が最初なのかな。以降、かなりの映画で真似されていますけども。

この映画は、異常に耳のいい怪物がいる世界なので、登場人物がはしゃいだりすることはない。息を潜め、靴も脱いで裸足で、ひっそりと生活をしている。ワクワク感がない‥‥。靴を脱いでケガしないのかな。モンスターはバイオハザードに出てくるような、手足の長いヌルヌルした皮膚を持つクリーチャーみたいなもの。

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どこか懐かしさをおぼえるのは、文明から離れてかつてのアメリカの暮らしに戻ろうとしているからだろうか。食事の際には手を繋いでお祈りし、父は子に生き抜く術を教えようとする。スマホもPCもなく、家族だけで肩を寄せ合って暮らす姿はあまりにもシンプル。開拓時代のアメリカのようなイメージすらある。

モンスターを文明の暗喩とするならば、私たちはどんな田舎に篭もろうとも、もはや文明からは逃れられない。SNSで不用意なことをささやこうものなら、社会的に殺されてしまう。主人公たちはSNSなどのないかつてのアメリカの暮らし、一旦そこに回帰しよういう意思を感じるが、社会はそれを許さない。作る側は暗喩など意図してはいないだろうけれど、モンスターと家族の関係は世相が滲みでたものにも感じる。

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この映画でもっとも印象的だったのが母(左)の出産。普通に考えれば、音に敏感なモンスターが跋扈する世界で、泣き声をあげる赤ん坊がいることはマイナスにしかならない。家族全員が死んでしまう危険すらある。だが、この夫婦は危険を冒して赤ん坊を作るんですね。

どんな生きにくい世の中、子供を持つことがマイナスにしかならない世の中でも、子供を作って育てるということは当たり前の自然な営みであるというメッセージなのかな。効率、合理性、損得、そういったものに支配されがちではあるものの、人が本当に大事しなければならないものはそもそも何か、一度考えてみてもいいんじゃない? という作品なのかもしれない。

全然違ったりして。


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