ビッグ・リトル・ライズ

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2017年 / BIG LITTLE LIES / アメリカ / 監督:ジャン=マルク・ヴァレ、原作:リアン・モリアーティ / サスペンス、ブラックコメディ / シーズン1(全7話)
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金持ちケンカせずと言いますが‥‥ケンカしかしてません。
【あらすじ】
セレブたちの暮らし。



【感想】
「幸せ以外は全部ある」というのは日本版のキャッチコピーですが、いいコピーですね。子供にも恵まれ、ブランド品に囲まれ、豪邸での優雅な生活。なのに日常はトラブルばかりという。何もかも持っているのに、なんでこんなに揉めるの? というのはアメリカだけの話ではないかもしれないけど。人々の感情のぶつかり合いがすさまじく、サスペンス要素もあって一気に7話観てしまいました。面白かったです。

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本当にねえ、登場人物の描き方がいい。魅力的でひと癖もふた癖もある人ばかり。というか、問題児しかいないけど。まともな人、ゼロ人。

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ママ友の間でのボス的存在マデリン(リース・ウィザースプーン)。どうですか、この貫禄! まさに王の風格。私が威張ることじゃないけど。この人、本当に面倒臭い人なんですよねえ。モンスタークレーマーにもなりうる。

マデリンは我が強く、自分が正しいと思ったら絶対に譲らない。周囲からは厄介な人と思われているが、彼女には共感できる部分も多い。傲慢で口は悪いし、一度嫌った人間とは徹底的に戦うし、子供に干渉しすぎる部分もある。だが、弱者に対する優しさも持っている。

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クラスで起きたイジメ事件の犯人としてジェーン(シャイリーン・ウッドリー、中)の息子ジギーが何の根拠もなく犯人呼ばわりされたとき、マデリンは毅然として抗議する。正義感が強くて弱者に対する優しさに溢れている。マデリンが暮らす家は海沿いの豪邸だけど、貧しいジェーンの家を訪れても、見下す様子など微塵もないし、対等に仲良く付き合っている。だが、ライバルのレナータに対しては執拗な嫌がらせを平気でおこなう性格の悪さも同居している。

アメリカ人の我の強さというのでしょうか。もうね、自分でもコントロールできないぐらい感情が暴走している。理性的で頭の良い人たちがどうしてこんな‥‥と思うのだけど。

で、彼女の娘がまた問題児で。処女をネットオークションで売って、そのお金を恵まれない子供たちに寄付すると言い出す。極端すぎるぞ。将来、過激な活動家になりそう。この親あってこの子ありという感じで、実によいですね。

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あまりに感情の起伏が激しく、手の付けられない感じもあるけど、そこも魅力的。

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セレステ(ニコール・キッドマン)は、ママ友たちから羨ましがられる存在。ハンサムで高収入の夫、海辺の豪邸、かわいい子供たち、セレステ自身も弁護士としてのキャリアがある。すべてを手にしているように見える。そんな彼女も夫のDVに苦しんでいる。プライドが高すぎるのか、周りからどう見られるか怖いのか、問題を直視できずにいる。夫を憎みつつも愛しており、DV後に優しくなる夫を許してしまい、カウンセラーが夫を批判するとムキになって夫をかばう場面もある。彼女は問題を完全に理解している。それなのに、わかっていても抜け出せないどうしようもなさがある。

わかっていない人なら問題を指摘すれば済む話だけど、すべてわかっている人にはどう対処すればいいのだろうか。

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彼女の夫にも同情すべき部分があるように思えるのだ。夫婦そろってカウンセラーのところに通い、悩みを解決しようとしている。だが、暴力を振るうことはとめられず「自分の中に悪魔がいることは知っている」と口走る。子供たちには優しくて面白い最高の父親というのが皮肉にも思える。

物質的には十分に満たされ何もかも持っているのに、なぜこんなに生きづらいのか。不思議な気持ちになる。彼らの攻撃性の高さや平気で人を罵倒する傲慢さにはうんざりさせられるところもある。だが、彼らがときおり示す寛容さや優しさに心打たれるところもあるのだ。プラスもマイナスも大きい、とにかく派手な人たち。救いなのは、どの親も子供を愛していたことでしょうか。セレブの世界を垣間見れたようでとても面白かったです。後味も悪くない作品。お薦めです。


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