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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
05
2019

TRUE DETECTIVE / 二人の刑事(シーズン1)

TRUE DETECTIVE / 2014年ー / アメリカ / 原案:ニック・ピゾラット / サスペンス / シーズン1(全8話)
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乗り越えなければ先に進めない。
【あらすじ】
殺人事件を捜査しています。警察を辞めても。



【感想】
現在シーズン3まで公開されているシリーズのシーズン1を観ました。シーズン1だけで完結しています。2,3は主人公が変わる。

サスペンスではあるけれども、事件そのものより、二人の刑事の生き方に重きをおいた作品に感じた。マシュー・マコノヒー(左)とウディ・ハレルソン(右)の協調や対立が見どころ。

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際立った頭脳を持ちながらいつも波風を立ててしまい、周囲と円滑な人間関係を築くことができないラスト・コール(マシュー・マコノヒー、左)、家族を愛しながらも毎度浮気をしてしまうマーティン・ハート(ウディ・ハレルソン、右)。

二人の自然な距離感がいい。ベタベタした馴れ合いはなく、お互いがお互いに興味がある様子もない。仕事で組んだから仕方なく一緒にやっているような。コールは歯に衣着せぬところがあるし、同僚として付き合っていくのは困難なタイプに見える。二人はタイプも違うし、人間的にもちょっと問題がある。それでも彼らが協力して捜査を行ってこられたのは、お互いの根底にある正義感が似ているからかな。人としてこれだけは許してはならない、というライン。結局、人を繋ぐのはそういった根底の部分ということだろうか。

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日本の作品とは少し善悪の価値観に違いがあるように感じた。マーティン(左)は、小児性愛者のレイプ犯を怒りから撃ち殺してしまう。日本の刑事物なら、卑劣な犯人といえども法の裁きにかけるのが正しいと結論しそうだけれど。コール(右)は、なんの躊躇いもなく犯人が銃を撃ってきたように見せかける偽装工作を行う。二人には犯人殺害や偽装工作についての懊悩や葛藤はまったくない。そこが興味深い。

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このドラマでたびたび映し出される湿地が印象的。この土地に潜む得体の知れない何か、因習なのか、秘められた狂気なのか、茫漠とした不安を呼び起こしてくる。

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コールもマーティンも優秀な刑事かもしれないが、一方で人柄に不安定さを感じる。マーティンはちょっとかわいい子がいると、すぐ不倫に走る。そして不倫相手から奥さんに暴露される。学習しない男よ。不倫相手がとびきりの美人ばかりなんですよね。無理もないなあ!

刑事も当然人間ですが、問題が多すぎるぞ。

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マーティンの長女(中央)は、ちょっと不安定で反抗的。クラスメイトと3Pをしているところを警察に補導される。怒りに震えるマーティン。

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「法廷強姦罪で訴えられるか、ここで済ますか(ボコボコにされるか)選べ」と迫る。む、無茶な‥‥。マーティンは相手の二人をグローブをつけてボコボコにします。

彼らは犯罪者というわけではなく、性行為は娘の合意があったんですけども、マーティンにはそんなことは関係ない。娘が荒んだのは、マーティンの度重なる不倫が原因の一端であるということにも思いが及ばない。

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コールはマーティンとのトラブルで警察を辞める。ドラッグや酒に溺れてしまう。だが、辞職後も彼は密かに担当した殺人事件を追い続けている。のちにマーティンも警察を辞め、探偵業を始める。再会した二人はこの未解決事件の捜査を継続する。一円にもならないけれど。コールの執念の源は、若くして亡くなった彼の娘なのだろう。犠牲者に自分の娘を重ねている。コールにとってこの事件は、娘の死を乗り越えて自らを再生させる唯一の方法だったのかもしれない。

マーティンは娘とうまく関係を築けてはいない。だが、不器用で自分勝手なやり方だが娘を愛している。二人とも「こんな犯罪を許してはならない」みたいなことは口にしないんですね。ただ、淡々と捜査を行う。二人とも褒められた人間ではないが底に燻る正義感がある。そこが魅力的なのかな。コールが刺されたとき、マーティンは警察への供述で「(救助を待ちながら)地面に座り込み、友の名を呼び……」と語る。マーティンがコールのことを友と呼んだのは、このときが初めてで唯一だと思う。ここにきてこれはぐっときますよ。

リアルではヒーローのような人間などおらず、みなどこか欠点ややるせなさを抱え、生活している。不完全な人間しかいないし、それが当たり前だと思う。問題ある二人の姿に惹きつけられるのは、心の根底にある仄かな暁光を見失わないからだろうか。見応えのあるドラマでした。



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