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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
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2019

下妻物語

2004年 / 日本 / 監督:中島哲也、原作:獄本野ばら / コメディ / 102分
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土屋アンナの終身名誉ヤンキー感。
【あらすじ】
ロリータとヤンキーの友情。



【感想】
女同士の友情を描いた作品は珍しいかもしれない。それがロリータとヤンキーなら、なおさら。奇抜なテーマとキャラで何も考えずに観られるコメディながら、ちょっと胸を打たれる場面も。面白かったです。なにより土屋アンナのヤンキーっぷりが「本当にこういう人なのでは?」と思わせるハマりかたで最高でした。

ロリータ・ファッションを愛する孤高の高校生 竜ケ崎桃子(深田恭子、左)と、硬派な暴走族 白百合イチゴ(土屋アンナ、右)、ロリータとヤンキーというまったく交わることのなさそうな二人だったが、あることがきっかけでイチコは桃子の家に出入りするようになる。いいですね、古い日本家屋。

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登場人物は全員が奇人変人という感じで、かなりぶっ飛んだ設定。まともな人は一人もいない。ロリータ・ファッションに身を包む桃子だとか、昭和を思わせるバリバリのヤンキーのイチコは、演じ方によっては観ている方が恥ずかしくなってしまうような極端なキャラ。それを違和感なく演じきってみせた深田恭子さんと土屋アンナさんは本当に良かったですね。

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特に土屋アンナの昔かたぎの古き良きヤンキー(右)がすばらしい。私は不良文化にはまったく詳しくないわけで、実際こういった義理人情に厚く、シンナー、恐喝などはやらないという清く正しいヤンキーがいるのかは知らないんだけども。

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これはもう演技だけで出せるのではなく血ではないか。意味もなくそこら中に唾を吐くところとか、勢いだけの巻き舌の喋り方とか、制服の着こなしとか、独自の哲学、すべてが完璧。昭和ヤンキーの血が土屋アンナに流れているに違いない。不良物の『クローズ EXPLODE』で東出昌大さんが不良を演じたけれど、どうしても隠しきれない品の良さが感じられてしまった。そういうのがない。今は亡きヤンキーの霊が土屋アンナに憑依しているのです。

河原で失恋を桃子に打ち明ける場面は良かったですね。人前で泣くと同情されるから女は人前で泣いちゃいけない、というイチコの意地の張り方とか、桃子の優しさとか。この二人はロリータとヤンキーという別属性であるけれど、お互い他人がなんと言おうと関係なしで、好きな物に打ち込んでいるという点では似通っている。

イチコが桃子に「バイク興味あんのか?」と訊いて「まったくない」と返されますが、それでも全然気にしないところがいいですね。お互いに自分の好きな物を押し付けないし、自分の理解できない物も批判しない。自分と他人が違うことが当たり前ということをごく自然に受け入れている。これ、現実にできない人、多いですよねえ。私も気をつけよ。

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脇役もみんな濃いな~。吉本といろいろあって反省ボランティアマンと化した宮迫さん(右)。演技は上手いし、やはり顔が面白いんですよね。

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ロリータブランドの社長礒部明徳(岡田義徳、左)との電話も良かった。ただの変態社長じゃなかったんだ~。

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映画の舞台となった茨城県下妻。ジャスコに支配されたド田舎として描かれる。私の実家もすぐ近くですが、実際ねえ、この辺てなんにもないですよね。下手すりゃジャスコすらない。取手駅に出ないと何もできないから。

そういえば以前におばあちゃんが、台所に大きいアオダイショウ(蛇)が入ってきたとか言ってました。恐怖。それほどの田舎。

宮迫さん演じるお父さんの実家尼崎も「住民は元ヤンキーかヤンキーで全員ジャージを着てる」など、滅茶苦茶なこと言ってますけども。怒られるぞ。

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背後に広がる緑鮮やかな田んぼ。和むわー。

テンポがとても良く、バカバカしさの中にも光るものがいくつもある映画でした。周囲を気にしない二人の力強い生き方や友情、奇妙な住民たち、そしてなんといっても昭和ヤンキーの霊が憑依したとしか思えない土屋アンナの魅力。面白かったです。好きな作品。

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