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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
18
2019

ブライトン ミラクル The Brighton Miracle

THE BRIGHTON MIRACLE / 2019年 / オーストラリア / 監督:マックス・マニックス / 実際に起きた出来事を基にした物語 / 82分
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妥協なき信念の人。
【あらすじ】
南アフリカに勝ちたい。



【感想】
ラグビーワールドカップ、過去二回の優勝を誇る南アフリカ。日本は南アフリカとワールドカップ第8回大会の第一次リーグで対決することになる。当時、日本の勝利は不可能と思われた戦いだった。日本代表ヘッドコーチであるエディ・ジョーンズ(テムエラ・モリソン)は日本代表チームを戦う集団に鍛え上げていく。

監督・脚本のマックス・マニックスはリーグラグビー(13人制のラグビー)の選手だったんですね。ラグビーは様々な人数でプレーされているようで7人制、13人制、15人制などあり、今、日本で盛り上がっているのは15人制のものですね。とにかくラグビーについては何もわからない状態で観ました。前にパスを出しちゃダメぐらいしか知らない。あと、相手を銃で撃ってはいけない。

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野球を見ていると監督の下にヘッドコーチがいて、ヘッドコーチは各コーチ(バッテリーコーチ、守備走塁コーチ、打撃コーチなど)を統括する位置にある。ラグビーではヘッドコーチが監督の位置にあるんですね。監督というものはない。この映画はエディ・ジョーンズがヘッドコーチに就任した2012年から2015年ラグビーワールドカップ、日本×南アフリカ戦までの軌跡を描いている。面白かったです。

「勝利は不可能と思われた」などという謳い文句をよく見たので、実際に日本の成績がどのぐらいだったか確認すると、たしかにひどかった。エディ・ジョーンズがヘッドコーチに就任する以前、ワールドカップ第7回大会(2011年)までの成績はすべて第1次リーグで敗退。内容は1勝21敗2分。これを見ると「勝利は不可能」と言われても納得せざるを得ない。エディはまず負けても悔しくないという負け犬根性の払拭から進めていく。弱かったときの福岡ダイエーホークス(現ソフトバンクホークス)でもこういった逸話があったような。

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エディの人柄がねえ、たまらなくいいんですよね。ウルトラ頑固。衝突を恐れず、ゴツゴツした印象。最近はこういう人も珍しくなった。周囲と仲良く、空気を読んでというのは決まりきった仕事をするにはとても良いことだと思います。でも、改革が必要な組織の場合、エディみたいなある種、劇薬のような人が必要だったと思う。鬼コーチなのでとにかくすさまじい練習。体格が劣る日本はとにかく練習しかない。外国と同じことやってたら勝てないのである。朝6時から練習じゃあ! 選手から文句が出ると「最初は朝5時がいいかと思った」と、しれっと言う。お、鬼‥‥。

自分が仕事をするときも、つい周囲と衝突しないように気を使いすぎてしまうことがある。だけど本当に必要なのは仕事をきちんと行うことであり、周囲と仲良くすることではない。エディのやり方について選手からは猛烈な批判が出る。それでも一切妥協なくやり遂げるのだ。エディは正しいと思えば、人の言うことを聞かない。病気で倒れたときも、病院側にとめられようと滅茶苦茶なペースでリハビリを行って回復してしまう。

今の日本人はあまりに素直に人の言うことを鵜呑みにし、周囲とうまくやることばかり考えすぎるのかもしれない。きちんと自分で判断をしない。それは責任を負わないということでもある。本来、私たちはもっと私たち自身ですべてを判断すべきではないか。もちろん専門家の意見は参考にするとして。そして、専門家の意見に背いたことをするときは、責任も負わねばならない。エディがリーチ・マイケルに責任について語る場面がある。これはラグビーだけに限らず、生活のすべてにおいて言えることに思えた。

リーチ・マイケルが南アフリカ戦の終盤、引き分けを狙わずにリスク承知で逆転に賭ける場面、これがまさに責任を負うことに他ならないし、この決断を行えたことが日本代表の目覚ましい成長なのでしょう。いやあ、あの場面は燃えますよねえ。

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エディから新キャプテンに任命されたリーチ・マイケル(ラザラス・ラトゥーリー、左)。いかに日本代表が生活を犠牲にして練習に明け暮れたかのエピソードが語られる。だけどですね、それがリーチの奥さんとリーチが新居を見に行くのだけど、その予定時刻にいつもリーチが練習の予定を入れてしまい、なかなか家が決められない。そんで奥さんが怒るという。実に薄いエピソード。ザ・どうでもいい話。これを何度か繰り返すんですね。もっと他にあるでしょうよ。死に物狂いで練習しているのに、家を見る見ないで揉めるって‥‥いや、家は大切なんだけども‥‥。リーチも奥さんも、両方損するエピソードのような。

ちょっと役者の日本語が変だとか、もう少しいろんな選手を取りあげてほしかったとか、細かい不満はあるものの、後半は実際の日本×南アフリカ戦の映像を交え、盛り上がる展開になっていました。リアルタイムでこの試合を観た方は本当に興奮したでしょうね。羨ましい。エディが指揮を執った日本代表は本選には進めなかったもののワールドカップ第8回大会の1次リーグでは3勝1敗というすばらしい戦績を収めた。ブライトン(イギリス)の奇跡という言葉も大袈裟ではない。南アフリカの他に2勝(サモア、アメリカ)挙げたこともすばらしい。

そういえばラグビーは日本代表といっても外国出身の選手が多い。制限がないのか気になっていました。こちらのサイト(RUGBY ISLAND)を見ると主に3つの要件を満たせば日本国籍を取得しなくてもよいようです。

・出生地が日本。
・両親または祖父母のうち1人が日本出身。
・日本に3年以上居住している(2020年12月31日からは、5年以上の条件に変更)。

ただ、前提として「他国での代表歴がないこと」があり、日本代表を選んだ選手たちは出身国の代表を諦めなければならないことになる。それなりに覚悟を背負って日本代表を選んだことになる。私はラグビーのことは何もわからないわけで、ただ面白い試合が観られればいいし、戦う意思の強い選手が出てくれればそれだけでいいという。ラグビー、もっと放送してほしいなあ。

ラグビーに興味を持った方は是非。

Amazonプライムで観たのですが、1週間ぐらい前(1次リーグ終わるまで)は無料だったのに。商魂たくましい。
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