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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
05
2020

女神の見えざる手

MISS SLOANE / 2016年 / フランス、アメリカ / 監督:ジョン・マッデン / サスペンス / 132分
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今日も勝つわよ!
【あらすじ】
銃規制法案を成立させたい。



【感想】
イギリスの弁護士ジョナサン・ペレラが初めて書いた脚本を映画化。初めてってすごいですね。映画学校などには通わず、手に入れた脚本を片っ端から読み、半分まで読んだところで残りの半分を自分で書いてみる、そしてオリジナルと比較して勉強したという。ということは応募したのは初めてでも、書いたのは初めてではないのか。でもすごい。

凄腕ロビイスト、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は銃規制法案を成立させようと奮闘する。主人公がどのような信念で動いているかなどは語られず、ポーカーフェイスで思考や行動が読めない。それがストーリーに引き付けられる理由の一つかもしれない。とてもよくできたサスペンス映画で面白かったです。

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スローンは勝つためなら手段を選ばない。味方もだますし、法律ギリギリのきわどいやり方も躊躇わない。相手が偉かろうが専門家だろうが、卓越した論理、データ、弁舌を駆使して圧倒する。まさに女王。し、しびれる~。忙しいので特定の男性とは付き合わない。性についても割り切っていてお金で男性を買って済ませてしまう。終わったら「さっさと帰って」と言います。いいんです。女王なので。

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この映画の心理的トリックというのでしょうか、ロビイストに対する偏見をうまく利用している。それがトリックとして効果的に作用してくる。ロビイストは巧みに世論をコントロールして、依頼主の要求を叶える。頭は良いけどモラルがなくて、勝つためならば主義主張など関係ない、銃で何人死のうがおかまいなしに見えるのだ。私の偏見かな。銃規制反対派のロビイスト(元同僚)たちは手段を選ばず、ガンガンきます。さすがアメリカ。

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シナリオが本当に見事でした。銃規制に賛成か反対かよりも、最終的には銃規制反対派を率いるスローンへの個人攻撃へと移行していく報道など、いかにもありそうな話。

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公聴会で証言することとなるスローンの買春相手の男性。おそらくはスローンへの罠として仕組まれたことだったのでしょうけれど、彼が良心を見せる意外な展開に。さんざん、帰れって言われたのに偉いお人。

最後までスローンがなぜ銃規制に反対するのかは語られない。家族が被害に遭っていたのか、それとも正義感ゆえの行動だったのか。語らないところに魅力があるし、観客がああでもない、こうでもないと自由に想像できるのが良質な作品なのかもしれない。楽しい。

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彼女は最後、ある罪に問われますがその刑期は同僚女性が大学に復学して学ぶのとほぼ同じ期間なんですよね。また社会に戻ってきたとき、一緒に仕事をしたいということなのかな。

後味の良い作品で賞讃しかないけれど、実際はといえば銃規制反対派が勝利し続けているという苦い現実がある。


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