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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
18
2020

ミルカ

BHAAG MILKHA BHAAG / 2013年 / インド / 監督:ラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ 、原作:ミルカ・シン、ソニア・サンワルカ / 実在の人物を基にした映画 / 152分
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【あらすじ】
インド代表の陸上選手になりたい。



【感想】
インドの伝説的な陸上選手ミルカ・シンの伝記映画。1947年にイギリス領インド帝国からインド・パキスタンが分離・独立する際の混乱で多くの人が殺された。ミルカも親兄弟を虐殺されている。歴史的経緯を何も知らず観ましたが面白かったです。インドやパキスタンの方が観ると、いろいろなことを考えてしまう作品なのだと思います。

しかし、インド映画は長いんですよね。なにせ隙あらば踊るから。3時間越えが当たり前。しかし、この映画はそれほど踊っていませんでした。たまに踊るぐらい。でも2時間半は超えている。

悲劇的な内容ながら、どことなくほのぼのした雰囲気もあって重くなりすぎない。

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頭にお団子を乗せたミルカ・シン(ファルハーン・アクタル)、これはシク教徒の髪型だそうです。まるで本当のスポーツ選手のような体。よくここまで鍛え上げましたね。

陸上でインド代表選手となったミルカ。ローマオリンピックで、「ミルカ、走れ!」というコーチの言葉が、幼い頃に殺された父の言葉のように聴こえ、つい後ろを振り返ってしまい、4位に終わってしまう。ミルカの父はインド・パキスタンがイギリスから分離独立をした1947年に故郷の村でイスラム教徒に殺されている。100万人が殺されたとも言われる虐殺の犠牲者だった。

ヨーロッパが世界各地を植民地化したことが、のちにこうした悲劇を引き起こし、インド・パキスタンの対立は今日までも尾を引いている。何百年も前の侵略が現在まで影響しており、歴史は点ではなく線なのだと思わされる。

ミルカが活躍した第二次大戦後にスポーツ選手となることは、大変なプレッシャーがあったのではないかと想像できる。日本でも血染めの鉢巻きをして走った吉岡隆徳(たかよし)、円谷幸吉などのことが頭に浮かぶ。国民の期待を一身に受け、スポーツが戦争の代替行為だったようにさえ感じるのだ。映画ではミルカの苦しみはあまり描かれてないものの、すさまじいプレッシャーだったのではないか。

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さておき、ミルカが恋をする女性が美しい。当時のインドは親が結婚相手を決めるようで、彼女は残念ながら他の男性と結婚してしまうんですね。大失恋に見えたのに、そのあとの場面であっさり他の女性に恋をするミルカ。

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そんで踊るという。これね、編集が悪いのでは。失恋の傷ゼロに見えるぞ。さっきまで死ぬほど落ち込んでたのに。

ミルカの姉が夫から日常的に暴力を受けていたり、インドでの女性の差別的な扱いも描かれている。

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実際のミルカさん。かなり似ている気が。

のちにインド・パキスタンの陸上親善試合で勝利することで当時のトラウマを乗り越えた、などと書くのは簡単ですが、実際にはいろいろあるのだろうなあ。走ることに気が進まなくても首相から要請されたり、個人が自由にやりたいようにやるなどできない時代だったのでしょう。

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やっぱり踊るんか、君ら。

ただ「勝って良かったね」という話ではなく、背後にいろいろなものを感じさせてくれる作品でした。日本版は152分ですが、ノーカット版は3時間を超える大作だそうで、やっぱり踊っているな! 間違いない。

面白かったです。


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