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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
06
2020

ブラック・フット

BACKCOUNTRY / 2014年 / カナダ / 監督:アダム・マクドナルド / パニック、実際に起きた出来事に基づいた作品 / 92分
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あんまり熊が活躍しない熊映画。山を舐めたら大変だ~。
【あらすじ】
駄目な彼氏と山に行く。



【感想】
パニックホラーというジャンルは鑑賞後に「観て良かった!」とか「映画って本当にすばらしい!」とはまず思わないものの、なぜか引き付けられる。ジャンクフード的な魅力だろうか。たまに観たいんです。だいたいどれも悲惨な死に方をしますけど。今回もやっぱりそうだった。

整備された区域以外のエリアを指す『バックカントリー』が原題。危険なために入場禁止にしている地域も多い。やってはいけないことをやったら、案の定ひどい目にあったという。実話に基づいているそうですが過剰に恐怖を煽ることもなく、それでいて熊、やっぱり怖かったという作品。

実際に熊が登場する場面はごくわずか。二人を邪魔するナンパ男や、痴話げんかに多くの時間が割かれる。余分とも思える時間ですが、そのくだらなさもまた良い。

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アウトドア好きなアレックス(ジェフ・ループ、右)と、アウトドア初心者ジェン(ミッシー・ペリグリム、左)のカップル。アレックスは山について舐めきっているようで少し不安になる。地図を持つことを拒否し、食料も十分に持っていない。熊よけのスプレーや発煙筒を念のために用意してきたジェンをからかう。ジェンは持ち前の用心深さのために命拾いをすることになる。

アレックスは無謀なお調子者ということで、ホラー映画には欠かせないバカ要員。だが、この話が実際に起きた事件を基にしているので、あんまり笑うわけにもなあという。自然に対する危機感を啓発しようということで、アレックスは少し愚かに描かれたのかな。

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キャンプを楽しむ二人の前に現れた謎の男ブラッド。アレックスに対してやたらにマウントを取ってくる面倒臭い人。アレックスの恋人ジェンは弁護士で、アレックスより年収も高く、学歴もあるのだろう。ジェンは気をつかってアレックスをフォローするが、アレックスはいろいろ面白くない。ブラッドに職業を訊かれて「今は友達の造園業を手伝っている」と答える。「今は」って付くのがアレックスの屈折をうまく表していて翻訳の巧みさを感じる。あくまで現在の状態は仮なんですという。そんなこと誰も訊いてないんだけど。

ブラッドがまたいやらしく「君はメキシコ人? 造園業ってメキシコ人がやるイメージなんだけど」と畳みかける。メキシコ人と言われてアレックスがムッとするのは人種差別だけど、実際にはメキシコ人を低くみる風潮がカナダ(この映画はカナダ映画)にはあるのだろう。そんな事情が垣間見える。

二人の間をかき回し、尺を伸ばすためだけに現れたようなブラッドは消え、ようやく二人の時間が戻った。アレックスはジェンを驚かせようと秘境の湖に連れてくるつもりだったが、どこまで歩いても湖はない。どこまでも続く森しかない。ま、迷いました‥‥。

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問い詰められて逆切れ気味になるアレックスがたまらん。地図持っていけと、現地のおっちゃんにしつこく言われたのに。よくここに来たんじゃないのかとジェンになじられ「高校の頃は‥‥」と答えたら、え、高校? おまえマジか!と余計怒られるの面白い。どこの分かれ道からわかってなかったのかと問い詰められ「最初!? 本気?」と怒られるところなんか最高ですねえ。

ジェンの矢継ぎ早の攻撃が止まらない。おまえは私を感心させたくて、こんな所に連れてこようと思ったんだろうけど、などと痛い所を突いてくる。最終的には、こんな所来たくなかった。「あなたは何をやってもダメ」と言ってしまう。

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そりゃ、ジェンの携帯を勝手にとりあげるわ、ろくな装備も持たないわ、地図もなしで「迷った!」となれば何を言われても仕方ないところ。「あなたは何をやってもダメ」というのは優しい翻訳で、実際は「fucking looser(クソ負け犬野郎)」って言ってますね。そ、それはいくらなんでもおおお‥‥ジェンさん。

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怒られすぎて魂が抜けかかるアレックス。ま、アレだ、すべておまえが悪いとはいえ‥‥な。かわいそうだし、面白くもある。

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まだ怒ってますよねえ‥‥のアレックス。いいお顔。

とりあえず和解した二人は熊のいる恐ろしい森から協力して抜け出すことを決意する。

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食料はほぼ無くシャンペンが少しだけ、現在地点も不明、あとどれぐらいで森を抜けられるかもわからない状況で、なんとなくいい雰囲気になってしまう二人。若さ!

冷静に考えると少しでも体力温存しとかないといけないはずだけど、関係ないな!

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そして現れる熊ちゃん。熊の圧倒的な力がよく現れてましたねえ。なんとなく鼻に一発くらわせればうまく逃げられるんじゃないの? という舐めた考えを持っておりましたが、絶対に無理。絶望的なまでの力の差。ちょっと撫でられただけで肉が裂ける。かなりグロテスクな描写があります。恐ろし。熊の描き方は『レヴェナント:蘇えりし者』に次ぐ出来の良さでした。

ただ、熊自体の登場はほんの少しなんですよね。もうちょっと執拗に追いかけられたりしても良かったのだけど。一応、実話ベースの話だからでしょうか。熊映画ではあるものの、熊よりもケンカ等に時間が割かれておりますので、揉めるのが好きな方にはいいのかも。熊成分はやや不足気味に感じました。


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