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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
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2020

風の勇士ポルダーク(シーズン5)

POLDARK / 2019年 / イギリス / 原作:ウィンストン・グレアム / 時代劇 / シーズン5全8話
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その終わり方でいいのか‥‥? よくない!
【あらすじ】
無実の友を助けたい。



【感想】
ポルダークが帰ってきたぞお! ということで、ほぼ1年ぶりの帰還。シーズン5の放送がJ-COMで始まりました。オープニングの叙情感あふれるテーマと背景は相変わらずすばらしい。40秒ほどしかないのですが魅了される。これだよ、これえ! ちゃ~らら~らららら~ららら~ちゃらららら~ら~ら~♪ 私の葬式にはこれで棺を送り出してくれたまえ。骨もこんがりよく焼けそう。気持ちがたかぶります。


『風の勇士ポルダーク』もとうとう最終シーズンです。シーズン3、4とややストレスが溜まる展開となっており、5でスッキリと終わりたいところ。シーズン4では物語の要とも言えたエリザベスがまさかの退場という。この大きすぎる穴は埋まるのでしょうか。埋まらないに千点。

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ロス・ポルダークを演じたエイダン・ターナーの魅力に引っ張られてここまで観てきたものの、さてさて今シーズンはどうなるのか。下降気味なのが心配。

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シーズン5であらたに登場したのがアメリカ独立戦争でのロスの上官ネッド・デスパード大佐(ヴィンセント・リーガン、右)と、その妻キティ(左)。ネッドは中米のホンジュラスに総督として赴任していた。土地を原住民に分配したことで特権階級の怒りを買い、国王の利益を損ねたという嘘の告発によって罪人にされてしまう。ロスは捕われたネッドを解放するために奔走することになる。ロスは議員の仕事をしている様子がない。よく地元の炭鉱に帰っているし、もめ事に首を突っ込むし。選挙民や議会から怒られないのかな。

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ロス(右)とデメルザ(エレノア・トムリンソン左)の結婚と、ネッドとキティの結婚はよく似ている。どちらのカップルも身分の違いを乗り越えて結婚している。ロスとデメルザの結婚までの物語はとても良かった。だが、それ以上の盛り上がりを以降のシリーズでは越えられなかったようにも思える。シーズン5では再び身分が違う二人を起用している。シーズン1のように身分の差を乗り越える話でもう一度盛り上げようとしたのかな。ネッドとキティはもう結婚しており、今回は恋物語より差別について重きをおいたようにも見えたけど。どこか中途半端にも感じた。

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で、そのネッド大佐なんですけどね。人種差別を憎み、歯に衣着せず物を言う正義感の強い人柄。それはいいのだけど、公衆の面前で国王の悪口を大声で話す。あまりにも無用心というか、え、なに、クルクルパーなの? この時代は謀略も多いし、すぐに処刑されたりするわけで、今よりも皆、慎重な振舞いをしていたと思うのだけど。

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ネッドは、シーズン5で新しく加わった悪役テスの陰謀にもすぐ引っ掛かる。案の定である。テスは憎らしい役でしたねえ。ただ、どの役もそうなのですがいい人は徹底的にいい人で、悪い人はもうひたすらに悪いという。色合いがくっきりしすぎているような。

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ドワイト先生は「ネッドって独立戦争のときは英雄だと思ってたけど、実はただのアホなんじゃ‥‥」とロスに注意する。気づいてしまいましたか。

いろいろありまして、ネッドは裁判にかけられる。裁判も事実関係の確認や証拠の真正性という話にはならない。証人として出廷したロスが演説して「ネッドって、勇敢でとてもすばらしい人なんです。だから無罪!」という人柄の話をするのだった。ええんか、それで。帰りの会レベルでは‥‥。

もう一人の証人として呼ばれたドワイトは、ネッドについて心神喪失で通そうとする。事件を起こした当時、彼は正常な精神状態でなかったということで無罪を狙う。いや、ロスとドワイト、戦略がまったく違うじゃ~ん。統一してくれ。親友同士なのに何も打ち合わせをしていないのか、君ら。してないんだな。

実際のところ、昔の裁判は今よりも弁舌の巧みさが重視されたようにも思えるけど。しかし、そのやり方だと人々を感動させられるとか、口の上手い人が有利になるような気がする。ロスの演説に一定の効果はあったようだが、陪審員たちはジョージによって既に買収されており、ネッドは死刑を言い渡される。

死刑判決の場面は少し笑ってしまった。ネッドには裁判長から絞首刑が言い渡されるが「絞首刑での死亡を確認後、遺体の手足を縛って牛裂きの刑にした後、体から内臓を引きずり出して火にくべる!」って、ハードコアすぎるだろうよ。いくらなんでもやり過ぎではないか。野蛮といえばたしかにそうだが、そういう時代だったのだなあ。

ネッドは、処刑前夜に脱獄させにきたロスと共に脱出するのかと思いきや、刑を受けて死ぬことを選ぶ。なら、途中までロスについて行かずに最初から断ればいいのに‥‥。処刑の場面もちょっと疑問が。今まさに絞首刑が執行されるところに伝令が駆け込んでくる。処刑がストップするのかと思わせて、処刑はそのままで牛裂きと内臓を火にくべるのは無しよ、という変更が。結局、死刑やないか~い! ってなりますよ‥‥。なにそのちょっと期待させるやつ。

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新キャラに今一つ感情移入できない中、ロスの永遠の宿敵であるジョージ・ワーレガン(ジャック・ファーシング)はどうかといえば、いろいろあって苦しんでおった。かっこいい画像を探してきました。卑怯な振舞いが多いものの、よく見ると男前。

シーズン5までジョージの悪行を観続けてきたわけですが、嫌いを通り越して、どこかで好きになりかかっていたことに気づく。思えばかわいそうな人なのだ。主人公ロスに対するコンプレックスを抱き続けてきた男。ジョージは己にとって不足している部分を金によって補填してきた。ロスの周りには頼もしい仲間が大勢いるが、ジョージの周りは性格最悪で金目当ての人しかやってこない。自業自得とはいえ、そりゃ、歪みますよ。

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ジョージは想い続けてきたエリザベス(ハイダ・リード)と結婚することに成功する。しかし、それも金の力だった。もし、ジョージがただの愚か者ならば悩まなかったかもしれない。彼は繊細であり、エリザベスが自分になびいたのは金のおかげだったと理解している。それでもエリザベスのことを愛している。だが金で結びついたせいか、エリザベスへの疑いを捨てきれない。結婚後もエリザベスがロスを想い続けているのではないかと疑い、二人の間に産まれたバレンタインについてもロスの子供ではないかと疑い、悩み続ける。実際そうなのだけど。

エリザベスはロスを心の底で想いつつ、それでもジョージを愛していたように見えるのだ。エリザベスの愛はジョージに伝わっていたのだろうか。ジョージはエリザベスの死を受け入れることができず、心の病気となってしまい、エリザベスの幻に話しかける日々。ジョージの性格は大きく歪んでいるが、それでもエリザベスを想い続けていたことは本当で、その純粋さはロスを越えているようにも思うのだ。そうやってジョージを観ていると、もはやジョージが非道なことをしても「あれはあれでかわいそうな人なのだ‥‥」と、同情するような気持ちで眺めてしまう。

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これはまずい、と制作側が思ったかは知らんけど、悪役が二人投入されましたね。わかりやすく悪い人たちでねえ。しかし、ややキャラが薄いように感じました。最後の方はシナリオがとっちらかっている印象。密かにイギリス侵攻を企んでいたフランス側の将軍が、護衛もつれずにやってきてロスと謎の一騎打ちの展開に。一騎打ちしないで銃で殺せばいいのだけど。あんた、負けたらどうすんだという。一応、国を背負っているわけで、番長同士のケンカじゃないんだから‥‥。

ロスの窮地を救ったのはジョージだった。悪役たちを一掃した二人は酒をくみかわす。ここでジョージのベビーターン(悪玉が善玉に変わること)があるかと思いきや、ジョージは変わらないんですよね。息子のバレンタインがロスを慕って訪れているが、バレンタインを追い返してくれとロスに頼む。そんな‥‥。

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義理の息子ジェフリー・チャールズはロスに懐き、次男バレンタインも失うことに堪えられなかったのかもしれない。たとえ自分の子ではないと思っていても。ますます哀れなジョージ。しかし、最後はロスとジョージは仲良くしてほしかったのだよおおおおおおお。思えば、私はずっとロスとジョージが和解することを望んでこのドラマを観続けてきたのかもしれない。しかし、それはかなわなかった。

私がもっとも感情移入していたのはロスではなく、ジョージだったのかも。

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他の登場人物はといえば、モーウェナとドレイクに子供が生まれたのは良かったですね。ドレイクって、このドラマでは数少ないまともな人に思える。

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なにせ粘り強い男。妻のモーウェナは変態貴族から性暴力を受けたため、男に触れることができない。結婚後もひたすら妻に寄り添い、支え続けている。ロスはロンドンと地元を行ったり来たりで仕事をしているかも怪しい状態、兄貴は聖書の教えを説くとか怪しいことを言いだすなか、自分はきちんと鍛冶屋で働いている。仕事を学びに来る子供たちに鍛冶を教えている。滅茶苦茶な理由で、家を2回焼かれている。偉いと思います。

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この二人もほとんど出番がなくて残念。

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終盤、ストーリーがかなり強引に感じたものの、それでもこんなに長く書いてしまうのだから、この世界が好きだったのだ。コーンウォールの壮大で美しい景色が観れなくなること、ロスとデメルザのこれからを観られないのはさびしい。もちろんその他の登場人物たちも。

ロスがジェフリー・チャールズの失恋を慰めるためにかけた言葉が印象的だった。

初恋は永遠の恋ではないが、何より深く心に刻まれる

ともあれ、物語は完結したのだ。

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