300 <スリーハンドレッド>

【あらすじ】
紀元前480年。スパルタ王レオニダス(ジェラルド・バトラー、中)が300人の軍勢で、ペルシャ軍100万を率いるクセルクセス(ロドリゴ・サントロ、右)を迎え撃ちます。
【感想】
とにかくみんな変なカッコをしている。スパルタ軍は300人しかいないのに鎧をつけません。筋肉に海パン一丁みたいなカッコで戦います。そう、大胸筋に割れた腹筋、たくましい上腕二頭筋、筋肉こそが俺たちの鎧だぜ! とばかり。困った軍隊だ。
そしてペルシャ軍も負けずおとらず変である。特にペルシャ王クセルクセスは変。

実はこれ祭壇の上にいるのではありません。椅子が付いている巨大な御輿で、王様はこれで移動します。この御輿をアルバイトが20人ぐらいで担いでいます。大変だ。この御輿を降りるときは、担いでいる人たちが前に出てきて王の前にかがみこみ、人間の階段を作ります。王は、その背中の上を歩いて降りるのがお好き。困ったお人。
クセルクセスにスパルタ軍の裏切り者が謁見する場面も変である。王に謁見している最中なのに、複数の女がクネクネと、裏切り者の男にまとわりついている。股の下にもいたりする。で、それをまったく気にしないクセルクセス。器が大きいとかじゃなく、頭がおかしい。みんなおかしい。

困った人 VS 困った人
この映画、戦闘場面がとてもきれいです。スローモーションと早送りを効果的に使用している。ぶつかりあう剣と盾、丸太のような肉と肉。スパルタ軍の真紅のマントが、セピア色の画面に映えて美しい。
特筆すべきは衣装。時代考証なにそれ? と言わんばかりの変なかっこで暴れまわるのがすばらしい。クセルクセスが神輿で移動するところは「魁‼男塾」を思わせた。ここまで好き勝手やると潔い。性格も全員変だし、たいへんよろしいと思います。