09
2012

映画「塔の上のラプンツェル」

塔の上のラプンツェル
2010年 / アメリカ / 監督:バイロン・ハワード、ネイサン・グレノ / ファンタジー


【あらすじ】
塔の上に18年間閉じ込められた少女ラプンツェル。彼女の髪には、老いや傷を治す不思議な力があった。ラプンツェルの力を独り占めしたいゴーテルは「外の世界は危険に満ちている」と教え、彼女が塔から出ることを禁じます。しかし、ある日塔に逃げ込んできた盗賊フリンに導かれ、外の世界へと足を踏み出します。

【感想】ネタばれしてます。
DVDのジャケットを見たときは恋愛物かと思いました。たしかにラプンツェルと、彼女を外界に導いたフリンの恋はある。でも、そんなに恋愛に重きを置いてない。ラプンツェルの育ての親ゴーテルとの歪な親子関係がもう一つのテーマなのかなと感じました。

一見、楽しそうな話なんですがけっこう怖い話というか。わたしは怖かったよ。

赤ん坊のラプンツェルをさらってきて塔に幽閉したゴーテル。彼女は自分が老いるのが嫌なので、ラプンツェルの力を使って若さを保ちます。

彼女はラプンツェルに対して愛情がないかというと、そんなことはないと思う。ラプンツェルの好物の豆のスープを用意したり、彼女の好きな絵の具を揃えようともする。ただ、それはゴーテルの認める範囲内での自由しか与えない。

ゴーテルにとってのラプンツェルは、自分を輝かせるアクセサリーの一つのようにみえる。あくまで自分が中心にある。自分に従うのがラプンツェルにとっての幸福であると言い聞かせる。お互いに自立できない歪な親子関係を象徴しているようで気味が悪かった。

ラプンツェルは外の世界に興味がありつつも、母親の機嫌を損ねることを極度に恐れている。フリンと塔を抜け出したときですら、自分の行動がゴーテルを傷つけやしないかおびえている。

これは、そういうふうに躾けられてしまったラプンツェルの不幸かもしれないが、彼女自身がゴーテルに依存している面もある。

な、な、なんだ、この書いていて全然楽しくない感想は‥‥。えーとですね、そんな暗い映画じゃなくてラプンツェルの髪の美しさとか、馬や酒場の仲間とか、ダンスだとか、楽しげな映画なんです。ほんと、ほんと。最後のフリンの決断なんて、ちょっと素敵だ。カンテラを飛ばすシーンも幻想的な美しさがあります。

以下、ラストシーンについて書いています。ラストにラプンツェルの力が失われ、ゴーテルは一気に老いてしまう。そしてカメレオンのパスカルがラプンツェルの髪の毛を使ってゴーテルの足をひっかけ、ゴーテルは塔から転落して死ぬ。

このときラプンツェルはゴーテルに手を差し伸べている。自分を虐待してきたといってもいい育ての母ですがラプンツェルは救おうとしている。ラプンツェルにはゴーテルに対する愛情が残っていたのだと思う。

このシーンがよくわからなかった。なぜパスカルに足を引っ掛けさせたのだろう。老いたゴーテルがよろめいて、勝手に塔から落ちてもよかったのではないか。それをあえてパスカルに殺人をさせている。

これは製作側の強い意思の表れだろうか。そういう歪んだ親子関係は絶対に断ち切らなければならないという。子どもと観ることの多いであろうディズニー映画で、こういった表現をしたことはとても意欲的な試みに思えました。そんなに暗い話ではなく、絵もきれいですしお薦めです。


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