25
2012

映画「ブーリン家の姉妹」

ブーリン家の姉妹
2008年 / アメリカ、イギリス / 監督:ジャスティン・チャドウィック / 歴史


【あらすじ】
16世紀イギリス。やりたい放題の王様ヘンリー8世(エリック・バナ)がいろんな女の人に手を出します。
ちょっとー!手が、オイッ!どこ触ってんだ!そんで、手をかけつつも目線は違う女の人を見ています。そういう作品なんです。間違いない。

【感想】ネタばれしてません。
上の画像はアメリカ版DVDのものです。で、下のが日本版。

日本版のものはヘンリー8世の左手がアン(ナタリー・ポートマン)の胸にかかっていません。いやらしい感じがするので修正されたのかな。でも、アメリカ版のほうがこの映画の内容を端的に表しているように思う。

まるで昼のメロドラマのような内容。自分勝手VS自分勝手というか、自分勝手な人しか出てこないよ、ヨヨヨ‥‥。観ているとみょうに疲れるのはそのせいかもしれません。うーん、欲望に実にストレートな人たちの話なのです。

あんまりさえない貴族であるブーリン家が、娘を王様に差し出して地位と権力を手に入れてサクセスしようぜ!という、ギトギトのトンコツラーメンのような野望を丸出しにしたお話。才気煥発で自信にあふれる姉アン(左)と、おっとりしている妹メアリー(スカーレット・ヨハンソン、右)の対比が面白い。

アンも、王様に気に入られよう計画にたいそう乗り気である。だが王様はアンよりも、すでに夫がいるメアリーに惹かれる。そこでアンの怒りが爆発。メアリーを裏切り者と罵って当たり散らす。メアリーはメアリーで、夫がいるにもかかわらず「王様、大好き!」みたいになってしまう。メアリーの夫も「わしも出世できるから、まあ、ええか。王様、どうぞどうぞ」みたいな感じである。もう、君ら、ほんとになあ‥‥ってなるよ。

これは今の価値観から観るから、げんなりした感じになるのでしょう。昔ならば当たり前のことで誰もなんとも思わない。今だって結婚相手の家柄、収入、勤め先など利害打算というほどではないにしろ、いろいろな計算はある。それを極度に濃密に表現するとすればこういった形になるのかもしれない。でも、あまりに率直すぎる。「おまえ、王様と何回したの?何回?何回?」「1回以上‥‥」「よし!わしらの出世確定!」

いや、よしって。もう、本当にねえ。一族の出世を娘にかける人たちのあさましさがねえ。しかたのないこととはいえね。

で、王様ですが、当時の価値観というのを差し引いたとしても、ほんとに人でなしだと思いますよ。「ザ・人でなし」ことヘンリー8世ですが、しかし自分が王様の立場で本当に好き勝手できるとしたら、このように振る舞わないとも限らない。権力も財産もあって好き放題できたら、誰がこうならないと言えるだろうか。最初は、登場人物たちの行動をあざ笑う感じがあったが、やがて何か苦いものでも飲まされたような気分で映画を見つめていた。

赤ん坊を連れて、決然とした態度でメアリーが宮廷をあとにするシーンがあります。あそこは良かったですね。そのとき連れていた赤ん坊がやがてエリザベス1世となり、イングランドとアイルランドを統治することになる。そこに運命の不思議さを感じました。

そういえば、アンがアルファベットの「B」のネックレスをしています。あれは、ブーリン家を象徴しているBなのでしょう。アンがネックレスをし続けていたのは、利用されていたとはいえ、それでも家族を愛していたことの証に思える。あれをはずしたことでようやくその頚木(くびき)から解き放たれたということかもしれません。
※この映画は史実と異なる点が多くあるそうです。

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