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2013

映画「カンパニー・メン」

カンパニー・メン
2010年 / アメリカ / 監督:ジョン・ウェルズ / ドラマ


リストラにあったとき、支えてくれるもの。
【あらすじ】
リストラにあったので困ります。困ってる顔しか出てこない。

【感想】
よく似たタイトルで、「カンパニーマン」というヴィンチェンゾ・ナタリ監督のSF映画があります。あれとは別です。

リストラされた人々を描いた映画。わたしたちの周りにある話ですし、とてもよくできています。戦争や人種差別などの悲劇は、やはりどこか遠くで起きている感じがする。「自分の身に起きることかも」と捉えることは難しい。リストラはあまりに近すぎて観た後にぐったりしました。リストラあるあるが山ほど入ってたのよ‥‥。

主に三人の男を中心に話が展開されます。一人目はボビー・ウォーカー(ベン・アフレック)。総合企業GTXのエリート社員、37歳にして年収12万ドルを稼ぎ、大邸宅に住む。ポルシェにも乗ってるし、ゴルフの会員権も持っている。奥さんと二人の子どもがいる。リーマンショックで突然リストラされます。

本人はリストラされたとき「すぐ次が決まるぜ!俺はエリート社員だからな!よって生活レベルは落としません」などと調子に乗っていたものの、何ヶ月経っても仕事が見つからない。でも近所には無職って思われたくないし、ゴルフも続けたい、家も手放したくない。工務店を経営する義兄(ケビン・コスナー)からは「大工で雇ってやる」と言われるが、肉体労働を見下してるから、そんな仕事はしたくない。

奥さんのマギー(ローズマリー・デウィット)や子どもはとても性格がいい。それによってだいぶボビーは救われている。彼の元同僚が自殺しますが、彼がそこまで追い込まれなかったのは支えてくれる家族に違いがあったからかもしれない。それとブルーカラーと見下していた義兄(ケビン・コスナー)が雇ってくれたのも大きい。皮肉屋でボビーにきついことを言いますが根はいい人なんですよね。しかし、ケビン・コスナー、歳とったなあ。誰かと思ったよ。

トミーリー・ジョーンズ(左)とクリス・クーパー(右)も困ってます。おじいちゃんたちが困ってる姿はかわいらしいなあ。トミーリー・ジョーンズは創業者の一人なので、大量に株を持ってるから生活には困ってないんだけども。

クリス・クーパーは奥さんから「無職だと近所にばれるのが恥ずかしいから6時まで帰ってこないで」とか言われるのが切ないですね。おじいちゃんをいじめるなよー。タダでさえまいってんのに。ヤケを起こしてクビになった会社に石を投げたりしますよ。

リストラにあってしまった大変な人たちを描いているのは確かなのだけど、一方ではアメリカの消費社会の異常さというのも感じました。すぐ住宅ローンが焦げついて家を売らざるを得ないという貯蓄の少なさ、車を2台持ってるとか、外食だ旅行だとか。やはり贅沢しすぎなんじゃないかと思うんだけど。それを異常とも思っていない。

以前観た「フローズン・リバー」でも、トレーラーハウスに住んでいて昼飯代にも事欠く状態なのに大型テレビをレンタルしていたり、どこか異常さを感じさせるところがあった。あきらかにバランスがおかしい。身の丈というのはやはり考える必要がありそうだけども。あれ、わたし、なにか偉そうなことを。何も考えてない人間のクズが偉そうなことを。ひどいこと言わないで。

※ラストシーンに触れています。
映画のラストは、トミーリー・ジョーンズが造船業の会社を起業する。クビになった仲間たちを集めて再起をはかり、マネーゲームではなくまっとうに仕事をしようという希望がもてる終わり方になっている。

そこに救いはあったんだけど、ただGTXをクビになった人たちみんなが集まったってことは、誰も就職決まってなかったってことじゃんかー!怖いわー!これは、会社作ってくれなかったら、みんなまだ無職ということではないか‥‥。

あと、トミーリー・ジョーンズは堂々と不倫をしていますが、リストラというテーマが重過ぎて不倫はまったく気にならない。奥さんより不倫相手のほうが出番が多いし。新しい会社でも不倫相手を共同経営者にしそうである。不倫する気マンマンである。なぜ君はしないの?ぐらいの話である。

とてもいい映画なのでお薦めです、と言いたいものの、会社人間には身につまされる内容です。興味がある方だけ是非是非。


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