20
2013

4デイズ

Unthinkable / 2010年 / アメリカ/ 監督:グレゴール・ジョーダン / サスペンス

たとえ自分の家族が殺されかかっても拷問は否定されるのか。
【あらすじ】
拷問、拷問、また、拷問。


【感想】
その昔、中日ドラゴンズの権藤投手が毎日のように投げ、それを「権藤、権藤、雨、権藤」と評されたのをもじりました。わかりづらいわ。この文章、必要ない。次の段落から読んでくださいねー。

実際、かなりの場面が拷問という、ちょっと変わった映画。いたい! いたい! いたーい!



アメリカ政府に爆破テロ予告が届き、スティーブン・アーサー・ヤンガー(マイケル・シーン 写真右)というイスラム系アメリカ人が逮捕される。この人「クィーン」でブレア首相を演じていますね。首相からテロリストに。波乱の人生。

国内のどこかに核爆弾が仕掛けられ、4日以内に爆発する。爆弾の所在を吐かせるためにプロの特別尋問官H(サミュエル・L・ジャクソン)が呼ばれる。悪そうなお顔。



サミュエル・L・ジャクソンは変わった役を引き受けますが、この映画ではまあ怖い役でしたねえ。悪いサミュエルが堪能できる。



FBIからは事件の捜査にヘレン・ブロディ捜査官(キャリー=アン・モス)があたる。マトリックスに出ていましたね。この人は、どちらかというと人権派の立場なんですね。拷問をせずに、なるべく穏便に情報を聞き出してテロを食い止めたいという。もちろんそれができれば苦労はない。だけど、容疑者は口を割らず時間だけが過ぎていく。核爆弾のテロが起きれば万単位の人間が死ぬことは明らかで、じゃあ容疑者を拷問していいのかというところで葛藤する。

で、サミュエルが挨拶代わりに、容疑者の指を切り落として拷問が始まります。最終的に指を切り落とすのではなく、ここからがスタートという。コンビニにポテチを買いに行く気軽さで指を切り落とすサミュエル。恐るべし。

FBIのブロディ捜査官は、最初こそ拷問に反対している。彼女は人権を守ろうとするし「拷問による自白には信憑性がない」と主張する。しかし、Hは「ならば、なぜ人間は昔から拷問を続けてきたんだ」と黙らせてしまう。ブロディも、タイムリミットが迫る中、拷問を黙認せざるをえない状態に追い込まれる。

周りにいた人間たちは拷問の残酷さに目を背け、自分で手をくださないくせに、拷問してさっと口を割らせろとHに迫る。勝手だわー。だがテロリストを捕まえたとき、わたしもこの勝手な人たちと同じ行動をとる気もするのだ。

そんな中、容疑者が爆弾の位置を教える代わりに出した要求が興味深かった。中東のアメリカ傀儡政権への武器供与の禁止と、中東からのアメリカ軍の撤退。正当な要求のため、拷問していたHもためらってしまう。上層部は、そんな要求を呑むはずもなく拷問は再開される。

容疑者は口を割らず、彼の家族が連れてこられる。テロリストというのは、どんな罰を受けても仕方がないように思う。だが、テロリストの家族を拷問することは許されるのか。多くの人間の命が救われるなら、テロリストの子供を人質にとって拷問しても許されるのだろうか。

アメリカでは実際に、イラク戦争やアフガニスタン紛争で捕らえたテロリストの被疑者をキューバのグアンタナモ収容所で拷問している。グアンタナモならばアメリカの法律の適用をまぬがれる。

拷問について安全なところから批難するのはたやすい。だが、拷問でテロを防げるとすればどうだろう。容認されるべきなのか。こういった問題にすっきりとした正しい回答などない。将棋の詰みのような状態で、事態がここまで悪化する前になんとかすべきだったのだろう。とはいっても、アメリカはもう戻れないところまで来てしまっている。最悪の結果か、悪い結果か、どちらの選択にも救いはないように見えた。



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