04
2014

グランド・マスター / イップ・マン 序章

グランド・マスター 
一代宗帥 / 2013年 / 香港、中国 / 監督:ウォン・カーウァイ / アクション / 130分 
チャン・ツィイーが持って行ってしまった。
【あらすじ】
南北に分かれたカンフーの流派を統一しようと戦います。で、誰が勝ったんだっけ‥‥。


【感想】
詠春拳の達人イップ・マン(トニー・レオン)を軸に、中国の武術家たちの戦いを描く。スローモーションとワイヤーアクションを駆使した殺陣と、雨や雪の描写がとても美しい。ストーリーは単純なはずなんだけど、よくわからなかったんですよねえ。ボーっと観てしまった。基本的に最後に立ってた人が偉いのだ。イップ・マンも「戦いは縦か横だ」と言っている。縦か横というのは、最後に立っているのが勝者で横たわっているのが敗者という意味。

ちょっと持って回った言い回しが多いのだけど、めんどくさい表現が好きな人にはいいかもしれない。


詠春拳の達人イップ・マンが主役ながら、美味しいところは全部チャン・ツィイーが持って行くという。それでいいんか、トニー・レオン。

 

大活躍のルオメイ(チャン・ツィイー)。父の仇をとるために女として生きることをあきらめる。格闘場面というのは説得力が重要だと思う。体のキレやバランスももちろん大事だけど、やはり体が華奢では説得力がない。

チャン・ツィイーは痩せすぎている。それなのに説得力のなさを感じさせないのが不思議。優雅に舞を舞うかのように戦う。指先まで制御された動きの美しさが場を支配している。トニー・レオンが主役のはずなのに、最後の戦いを演じているのはチャン・ツィイーなのもうなづける。

武術にすべてを捧げてきたルオメイの言葉が良かった。

「悔いのない人生というけど嘘だと思う。悔いのない人生なんてつまらない」

選ばなかった人生、捨ててしまったものについて思いを馳せることは誰にでもある。この映画はカンフーアクションがすばらしいだけではない。カンフーにすべてを捧げたルオメイの密かな恋。純粋なアクション物を期待していると、ちょっと違うと思うかもしれませんが面白かったです。






イップ・マン 序章
葉問 / 2008年 / 香港、中国 / 監督:ウィルソン・イップ / アクション / 106分  
【あらすじ】
 佛山最強と言われる詠春拳の使い手イップ・マン(ドニー・イェン)。性格は温厚、街の人からの人望もあり、戦えば敵なし。ただし奥さんには頭が上がらない。パーフェクト超人ですなあ!ブルース・リーの師匠イップ・マンの半生。 



【感想】
「グランド・マスター」同様、イップ・マンが主人公ということで取り上げてみました。純粋に詠春拳の格闘場面を観るのなら、この「イップ・マン 序章」がいいと思います。なにせかっこいい。ただし、こちらは日本兵がかなり残酷な振舞をするので、フィクションとはいえそういうのが駄目な人はやめたほうがいいかも。


カンフー映画でよく見る道具、木人椿(もくじんとう)。発音は「もっやんじょん」というそうです。ドニー・イェンが木人椿を淡々と叩いているだけでかっこいい。ずるい! わたしもやりたい! 憧れるわー。

親は商売に成功して大金持ち、働く必要もなくて豪邸で好きな詠春拳を極め、弟子をとる必要すらない。美人の奥さんとかわいい子供に囲まれ、何不自由ない暮らし。人生チョロイわーってな感じのイップ・マンだったが、日本軍が攻めてきてからは困窮する。


これは本筋とはあまり関係ないのかもしれないけど、イップ・マンが働かないんですよねえ。そこがいい。

自宅はとっくに取り上げられ、明日食べる物もない。奥さんが病気で倒れてしまい、おかゆを作って奥さんに食べさせる場面がある。奥さんは遠慮して「これをわたしが食べたら、あなたと子供の分が‥‥」などと遠慮している。そのときにイップ師匠は「大丈夫だ。僕が働く」と言うのだ。ズコーッてなりましたね。おまえ、今まで働いてなかったんかいという。これが本気の働いたら負けの精神。

そういう人なんだけどさあ。病床の奥さんも「働いたことのないあなたが働くなんて!」と心配している。そんな心配のしかたって‥‥。


いろいろありまして日本人空手家十人と戦うことに。この場面はすごかったですねえ。詠春拳のかっこ良さを堪能できます。

ラスボス役の三浦将軍を演じた池内博之さんは柔道経験者で、空手の経験はなかったそうです。でも、最後の戦闘場面は良かったですねえ。ただ、あれは空手とも違うような気がするのだけど。

仇役には憎むべき非道な行いがあったほうがいいが、それをボスが引き受けてしまうとつまらない人物に見えてしまう。ここで、卑劣な日本人として佐藤大佐が活躍してくれたのがよい。損な役だと思うのですが。おかげで三浦将軍はちゃんとした武人として描かれており救いがある。ありがとう、佐藤大佐。卑劣でいてくれてありがとう。やられたときは心から「ざまあ!」と思えました。

詠春拳の魅力が描かれた、カンフー好きにはたまらない作品。

 

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