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2014

未来を生きる君たちへ

未来を生きる君たちへ
Hævnen / 2010年 / デンマーク、スウェーデン / 監督:スサンネ・ビア / ドラマ


あらゆる暴力は否定されるべきか。
【あらすじ】
息子と、息子の友達がいじめっ子に復讐。


 【感想】
原題は「復讐」という意味です。この映画には四つの暴力事件が出てくる。暴力はいけないというのは簡単だが、だからといって、やられ続けなければならないとしたらどうだろうか。もちろん、暴力なしで解決できれば、それが一番いいのだろうけども。



転校してきたばかりの少年クリスチャン(右、ウィリアム・ヨンク・ユエルス・ニルセン)。男前、聡明、金持ち、ついでにトラウマ持ちという、アニメに出てきそうな主人公。ド短気ちゃんなので要注意。いじめられたら徹底的に復讐する男である。怖い。

クリスチャンの友人エリアス(左、マルクス・リゴード)。気が優しくて温厚だけど、それもあっていじめグループに付け狙われる。クリスチャンは、いじめられているエリアスを助けるために、いじめグループのリーダーを背後から襲い大怪我を負わせてしまう。

クリスチャンは父親から「報復は報復を生むだけ」と諭される。だが「やり返さなかったら、いつまでもいじめられっぱなしだ」と反論する。


父親は良識ある人で「報復は報復を生むだけ」という言葉も正しい。だが、自分が言っていることが、いじめられている子供にとってはなんの役にも立たない建前論であることも自覚している。それが歯切れの悪さに繋がっているのだろう。クリスチャンは親に何も期待していない。クリスチャンの行動は行き過ぎだが、暴力というより自衛に見える。


エリアスの父親アントン(右、ミカエル・パーシュブラント)。子供同士の遊び場のトラブルに巻き込まれて、相手方の親から引っぱたかれます。引っぱたく人は、映画「プッシャー」で麻薬密売人を演じたキム・ボドニア。いやあ、暴力的な役をやらせるとピッタリですねえ。暴力を振るうために生まれてまいりました、という感じ。関わりたくない人である。



アントンはアフリカの紛争地域で医師として働いている。そこで起きる残虐な光景にうんざりしているからか、暴力はもうたくさんだということで徹底した非暴力主義になっているのかもしれない。

暴力はよくないといえば、それは一般的には正しく聞こえる。だが自分や身のまわりで問題が起きたとき、一般論は力を失う。問題なのは「暴力」と「非暴力」どちらが正しい、というように問題を単純化して考えることではないか。ときとして暴力を振るわねばならないときもある。強盗が押し入ってきたとき、街中で刃物を持って暴れている人がいるときは抵抗せざるを得ない。もちろん、抵抗せずに非暴力を貫いて死ぬという考え方もある。それもまた立派な覚悟だと思う。

あらゆる問題はそれぞれ独立しており、暴力が良いとか悪いとかではなく、状況に応じて考えねばならない。などと当たり前ですけども。わりとモヤモヤする映画ですが、いい映画です。でも、モヤモヤするー。どうすればいいのか。



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