19
2014

映画「エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE」

エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE
Tropa de Elite 2: O Inimigo Agora é Outro / 2010年 / ブラジル / 監督:ジョゼ・パジーリャ / 警察、アクション
名称未設定-6
腐敗を撲滅したところに生まれる、より大きな腐敗。
【あらすじ】
南米一の犯罪都市リオ・デ・ジャネイロ。警察、公安、政治家、スラム、マフィア、腐敗はすべてを覆いつくし、ツタのように絡み合い、切り崩すことができない巨大なシステムが構築されていた。


【感想】
「エリート・スクワッド」の続編ということですが、この作品だけ観てもきちんとわかるようになっています。



ジャケットだけ見ると「悪い奴は全員撃っちまえ~!」という、何も考えてないドンパチ系の映画に見えます。アクション部分は確かに充実していますが、腐敗した権力に立ち向かう社会派作品の色が濃い。冒頭「この作品はフィクションだが、現実に近い」とメッセージが出る。こちらのブログ(ぷらねた ~未公開映画を観るブログ~ 様)に監督のインタビューが出ていました。これを読むと、実話を元にした部分がかなり強いことがわかります。

名称未設定-1 

物語の主役ナシメント中佐(ワグネル・モウラ、左)。特殊部隊BOPE(ボッピ)を率いています。右にいる青い服の男性は人権活動家。犯罪者の人権も、命懸けできちんと擁護する。そこは筋の通った人です。ナシメント中佐の宿敵ともいえる存在。で、離婚したナシメント中佐の奥さんの再婚相手がこの人という。「よりによって、なぜアイツ!」という顔が良かった。

名称未設定-8 名称未設定-9 

どこもかしこも腐敗していて、腐敗してない部分を探す方が難しい。警察上層部と政治家から指示されたスラム街のマフィア掃討作戦は、マフィア壊滅後に警察がマフィアの代わりとなってうまい汁を吸う。悪から、より大きな悪に代わったにすぎない。現場で命をかけて戦っている人間のバカバカしさったらない。

名称未設定-3 
わかりやすく腐敗する人々。う~ん、腐敗したい!

政治家は票のことしか考えず、国民は勢いだけの政治家の言葉を鵜呑みにし、マフィアと警察は国民から絞り上げる。誰が敵か味方かわからず、腐敗をただそうとすれば内部からも外部からも命を狙われる。誰も信用できない。ここまで腐りきった状況で正義を貫くというのは命懸けですね。ナシメント中佐の姿は、禁酒法時代、アル・カポネに立ち向かったエリオット・ネスを思わせる。

こういう作品は日本では作れないかもしれない。作り手の能力の問題ではなくて、ここまでの状況は日本にはない。戦うべき状況がないのだ。それは良いことなのだろうけど。もうね、この映画はリモコンでチャンネル替えるぐらいの気軽さで、人を殺しに来るからなあ。とんでもないことである。今年観た作品の中で、一、二を争うすばらしい作品でした。お薦めです。


スポンサーサイト

Tag:お気に入り

0 Comments

Leave a comment