01
2014

映画「ザ・タウン」

ザ・タウン
The Town / 2010年 / アメリカ / 監督:ベン・アフレック / 犯罪
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宿命から逃れるために。
【あらすじ】
銀行強盗をしたら、銀行の支店長のことを好きになりました。


【感想】
近年のベン・アフレックですが「カンパニー・メン」「アルゴ」と、地味ながらも良い作品に出ています。自らがメガホンを取ったこの「ザ・タウン」も、良い作品ですね。

年間300件以上の銀行強盗が起こる街、ボストンのチャールズタウン。映画の冒頭に、世界でもっとも銀行強盗が起こる街と紹介されている。年間300件って、6日に5日は銀行強盗が起きている。恐ろしい街!父親は強盗で捕まっており服役している。仲間内では、警察に仲間を売らなかったヒーローとして讃えられている。ダグ(ベン・アフレック)も、銀行強盗のプロになっていた。

銀行強盗の場面は鮮やかな手口で疾走感がある。手がかりとなるDNA情報(髪の毛の落下対策?)を破壊するために辺り一面に漂白剤を撒いたり、防犯カメラのハードディスクを抜き取って電子レンジにかけたりと、証拠隠滅の方法も実に参考になります。勉強になるなあ!

面白い映画は、序盤から面白さを感じさせますが、この映画も序盤の襲撃場面がすばらしい。
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銀行から逃走の際、人質として捕えた女性支店長クレア(レベッカ・ホール、左)。いろいろあってダグとクレアは恋人関係に。うーん、なんて強引な展開と思いますが、うまく描かれており気になりませんでした。お似合い。

少し気になるのが、ベン・アフレックの育ちの良さでしょうか。サウスボストン育ちのチンピラという設定だけど、どうもそうは見えない。クレアとデートをしている様子も違和感がまったくない。これはいいのか、悪いのか。一方、悪友ジェム・コフリン(ジェレミー・レナー、右)は実にガラが悪い。いいぞお。金のネックレス、金の時計、金の指輪、タトゥー、わかっていらっしゃる!すぐに人を撃つ。わかっていらっしゃる!
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この場面は、ダグが支店長クレアとデートをしているところを共犯者のジェムに見つかってしまったところ。「誰だよ、この女。紹介しろよ~」という感じで強引に同席するジェム。ジェムにしてみれば「おまえ、襲撃した銀行の支店長と何してんだ」と怒りたくもなる。

クレアはダグとジェムが銀行襲撃犯であることは知らない。ダグは、ジェムの首の後ろのタトゥーから、クレアが犯人に気付くことを恐れている。

で、ダグは育ちの悪さをちょっと隠したいというのもあって、クレアの前ではちゃんとしているのだけど、悪友が出てきて口汚い言葉でまくし立てるので焦る。はわわわ!こりゃマズイというので黙り込むダグであった。クレアも、ちょっと苦笑いしている。彼女に地元の友人を紹介したくないときの男、みたいな状態は面白かった。
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ダグの元恋人でジェムの妹クリスタ・コフリン(ブレイク・ライヴリー)。まだ遊び足りない母親感がものすごくよく出ています。この映画、本当に助演がいいんですよね。若くして乳飲み子を抱えてしまい、途方に暮れている。本当は赤ん坊なんて欲しくなかったのだろう。この人、実はダグを捨てた母親と同じ状況なんですよね。ダグ自身も気づいてはいないが、彼もまた父親(強盗により服役)のようになりつつあるのだ。
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FBIのやり手捜査官アダム・フローリー(ジョン・ハム、左)。警察がバカってのは犯罪映画に多いですが、この映画は本当に優秀ですね。ちょっと勘が鋭すぎる。追い詰められていく襲撃犯側に感情移入していたので、この人が怖くて仕方なかった。みんな、逃げて!


罪というのは本当に存在するのかということを考えてしまう。同じサウスボストンが舞台の作品に「クロッシング・デイ」がある。貧困から抜け出せず犯罪を繰り返してしまうという点は似ている。「ザ・タウン」のほうは、それほど貧困については触れられてませんが。

もし周りが犯罪者だらけで、親も犯罪者だとしたら、商売屋の子がごく自然に親の跡を継ぐように犯罪者になっても仕方のないことに思える。罪というのは無くて、あるのは無知と貧困による悲劇ではないか。かといって犯人が許せるかというとそんなこともない。刑罰を失くせば社会秩序が失われる。
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クレアは真矢みきさんに似てますね。この写真ではそんなに似てないけど。

ダグがやったことには共感できないにもかかわらず、逃げ延びてほしいと思う珍しい映画でした。先の展開も気になったし、コフリン兄弟のただごとならぬヤンキー感、カーチェイス、銀行襲撃など見せ場も多い。犯罪映画が好きな人は是非是非。もうちょっとベン・アフレックがヤンキーっぽかったらなあ。コンビニの前でたむろってる感じがまるでない。品が良いというのも難しい。

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