09
2014

映画「やわらかい手」

やわらかい手
Irina Palm / 2007年 / ベルギー、ルクセンブルク、イギリス、ドイツ、フランス / 監督:サム・ガルバルスキ / ドラマ

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これが日本式風俗だ!‥‥、本当?
【あらすじ】
病気の孫を助けるために、風俗で働くおばあちゃん。


【感想】
ロンドン郊外で暮らす平凡な主婦マギーを演じるのはマリアンヌ・フェイスフル。ルパン三世の峰不二子のモデルと言われているようです。若い頃のアルバムジャケットです。そんなマリアンヌもおばあちゃん役に。



で、孫が重い病気になっているが息子夫婦にはまったくお金もない。手術する際の渡航費用がない。これ以上借金もできないという状況。マギーも、職業斡旋所に行って働こうとするのですが「あんた、歳だし、なんのスキルもないでしょ」と相手にされない。へこむわー、こういうの。銀行に行けば、サンタクロースの帽子をかぶった行員から、取り付く島もない対応で借金を断られる。サンタ姿で断られると、倍へこむ。

いよいよ追い詰められたときに目に入ったのが「SEXY WORLD」という怪しげな店だった。怪しくないわけがない。肌色系列のお店である。
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オーナーはミキ(ミキ・マノイロヴィッチ)という男。DSでマリオをやっている。ダメ元で採用してくれと頼んだところ、マギーの手を念入りにチェックして採用に。

ミキが嬉しそうに紹介してくれたのは、みずからが東京で見つけ、イギリスでいち早く導入したという風俗システムなのだ。壁の向こう側にいるお客が、壁に開けられた穴に男性器を差し込む。それをこちら側にいるマギーが射精させるというもの。
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ミキは「これが日本式のシステムだ!」と言うんだけど、オイ、おまえ、自信満々に日本式と言い切るのはやめてくれ、となります。本当にこれ、日本で普及したのかなあ。ふつうの風俗のほうが圧倒的に多いと思うのだけど。わたし、風俗に詳しくないからよくわからないのだけど、これはさすがに一般的ではない気がするよ。日本はなかなかの変態国として扱われております。
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手の感触が良いので人気沸騰のマギー。店には行列ができる。右手を酷使したため、手に疲労が溜まり、医者からはテニス肘ならぬ「ペニス肘」だと診断される。なんだ、その病名。

右の画像は、穴を使用中の人。頭上の鉄の棒につかまって腰を振ります。バカですねー。バカでとても良いと思います。

設定が変わっていて興味を引かれる話なのですが、登場人物の感情が激しすぎる。マギーに仕事を教えてくれた同僚、息子夫婦、村の人々、みな急に怒り出したりする。ちょっと前のNHKの連続テレビ小説にはひどいものが多かったが、この映画も無理矢理怒ったりするのが目についてしまった。

オーナーのミキは、あまりにも甘すぎる。金を持ち逃げしたら殺すと脅しておきながらマギーに甘いし、息子は金を出してくれた恩人のミキに食ってかかる。ちょっと登場人物の性格が一面的すぎるように感じた。ミキを演じたミキ(役名同じ)は味があって良いですね。マギーが自分のことを「なんの魅力もない中年の年増」と卑下したときには「うちの店では、そんな女は雇ってないぞ」などと言う。キャー、かっこいい。風俗店を経営したら、いつか使いたい。

それとは別に気になったのが息子とマギーの会話。マギーから大金を渡された息子は、お金の出所を探るためにマギーの跡をつけ、風俗で働いていることを知ってしまう。激昂した息子はマギーを売春婦と罵る。マギーは、わたしは売春婦ではないと訴える。そこがよくわからなくてモヤモヤした。

手でするというのは売春にあたるかどうかというのもそうだし、売春だとしても孫の命を救うためだからいいんじゃないかと思うのだけど。これは根底に売春は汚らわしいものというマギーの差別感情があるから、売春婦と一緒にされたくないという意識が現れたように見える。村の人々はマギーを差別したが、マギーはマギーで売春婦を差別しているようにも見える。彼女は風俗店で働いたことで成長したが、それでも根っこは村の人々と変わらないのではないか。

この映画が描きたかったこととは違うかもしれませんが、差別される者もまた差別感情を持つということを感じた。

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