19
2014

ドキュメンタリー「ピアノマニア」

ピアノマニア
Pianomania / 2009年 / オーストリア、ドイツ / 監督:リリアン・フランク、ロベルト・シビス / 音楽

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「この音は、わたしが夢に見た響きだ」
【あらすじ】
ピアノ調律師シュテファン・クニュップファーの仕事を一年間取材した映画。


【感想】
調律師というと、ピアノの調律だけをするのかと思ったら、ピアノの手配や録音に立ち会いもするんですね。シュテファン自身(左)が「調律については病的」というだけあって、音へのこだわりがすさまじい。演奏者と調律師が相談しながら音を作り上げていく。
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調律前後で何がどう変わったのかわからないのだけど、画面の中の人たちは満足そうに微笑みあったり、首を振って眉をしかめたりする。わたしにはわからないけど、確かにいいものを作り上げている人たちがいる。困難な仕事というのは、一見してわかるような単純なものではないし、もし誰にでもわかるようならそれほど難しい仕事ではないのだ。
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音というのは目に見えないから、どういう音にしたいのか相手に伝えることが難しい。音を表現する言葉は曖昧で、感覚的であるために難解なのだ。シュテファンやピアニストのエマールは、なんとか相手に理想の音を伝えようとする。

「深くて密な」「音が丸い」「音の消え方が完璧じゃない」「薄い音」「立体的」「最初に動きのある音」など、お互いの頭には理想的な音が存在しているのだろうけど、その究極の音を模索する様子、協力して一つの芸術を作り出そうとする様子がすばらしい。
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こんなにも仕事に真摯に取り組んでいる人がいる。あまりいいかげんな仕事ばかりやっていると、自分自身が駄目になってしまう気がする。べつに涙するような作品ではないのだけど、わたしには特別な作品だった。この真摯さを信じていいのだ。それが大いなる慰めになった。
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ステファンはピアノに機械を設置して、嬉しそうに微笑みながら「なにか興奮しませんか?」などと言う。もう、間違いなく変態なのです。すばらしい。

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