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2015

映画「推理作家ポー 最期の5日間」

推理作家ポー 最期の5日間
The Raven / 2012年 / アメリカ、スペイン、ハンガリー、セルビア / 監督:ジェームズ・マクティーグ / サスペンス

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頭の悪い人が必要だ!
【あらすじ】
新作が書けずにいたエドガー・アラン・ポー。心配した彼の熱心なファンが応援してくれる。
「おまえの恋人を誘拐した。これから、おまえの過去の作品を模した殺人事件を起こしていく。インスピレーションを感じて、新しい作品を書いてね。つまんない作品書いたら殺すのでよろしく~」
助ける方向が違う。えらい人に見込まれてしまいましたよ。



【感想】
エドガー・アラン・ポーというと「モルグ街の殺人」「黒猫」「黄金虫」などが浮かびます。ポーの作品を模した殺人事件が起こり、ポー(ジョン・キューザック、左)とエメット・フィールズ警視(ルーク・エヴァンズ、右)は協力して犯人を追っていく。

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ポーの作品を読んだことがあればより楽しめますが、なくてもそれなりに。探偵もののお約束として、警察がちょっとバカというのがある。警察が抜けているがゆえに探偵の出番が存在する。でも、この作品に登場するフィールズ警視は抜けてないんですね。

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凛々しいお姿! 最初はポーを犯人と疑いギクシャクしてたものの、捜査をすすめるうちにポーとの間に築かれる信頼関係もいい。友人というほど仲良くないものの、ポーが困ったときに訪ねるのがフィールズ警視なのだ。ポーに友人がいないのかもしれん。性格歪んでるしな。

ポーとフィールズの呼吸はピッタリである。そこで何が起こるかというと、観客が置き去りにされる。わたしがポーの作品を読んだのが子供の頃ということもあり、事件についてはうろ覚えで、事件現場をみても何が起きたのか把握できない。

把握できないまま、頭の良い二人だけで「よし、犯人は地下水道だ!」とどんどん先へ行ってしまう。ついていけない。これは、頭の悪い人が必要ですよ。ホームズに対するワトソンのような、話を整理してくれる狂言回しが必要なのだ。頭が良い人が観れば、まだるっこしくなくて良いと思うかもしれない。どのレベルの観客を想定して物語を作るかというのも大事ですね。わたしレベルですと「ふーむ、これは今どうなってるの?」となりますよ。わたしも仲間に入れて!

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1800年代のアメリカ、ボルティモアが舞台。雰囲気がいいですね。仮面舞踏会なんかやっちゃって。

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恋人の父親であるハミルトン大佐(ブレンダン・グリーソン、右)からポーは毛嫌いされている。ポーが陸軍士官学校を放校処分になっているからなのか、それとも「モルグ街の殺人」などを書いたからだろうか。

「モルグ街の殺人」は世界最初の推理小説と言われる。当時の推理小説は文学の中でどんな位置にあったのだろう。今でこそミステリー作家は世間に認められているけど、そもそも頭の中で人を殺す話を作るわけだから、ちょっと道徳的にどうかと思われるのもわかる。ミステリーが必ず人が死ぬ話とは限らないが。

なぜハミルトン大佐がポーを嫌うか、その理由がはっきりと描かれていない。単にポーの性格がいっちゃってるからかも。酒場でわけのわからないこと言って騒ぎ起こしたり。じゃあ、嫌われてもしかたないな!

ハミルトン大佐はテディベアみたいである。関係ないけど。

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ポーとフィールズ警視に置いてけぼりにされるものの、話はよくできています。トリック重視のミステリーというより、ポーとフィールズの冒険譚である。被害者が残酷な殺され方をするので、苦手な方はご注意ください。最後、フィールズ警視はなんで犯人の場所がわかったのだろう。ジュール・ベルヌうんぬんのくだりは聞いてないはずなのに。置いてけぼりにされたまま終わってしまったが、フィールズがかっこいいのでよいのです。ポーはそれほどでもない。

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