09
2015

映画「ジェシー・ジェームズの暗殺」

ジェシー・ジェームズの暗殺
The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford / 2007年 / アメリカ、カナダ、イギリス / 監督:アンドリュー・ドミニク / ドラマ

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あの人にばれてる?いや、まだ ばれてない? モヤモヤする~! 疑心暗鬼の物語。
【あらすじ】
カリスマ銀行強盗を殺したい。殺したくない。でも、殺したい‥‥のか?



【感想】
西部劇なのかと思ったら、そうではなかった。アメリカ西部開拓時代に略奪を繰り返した、世界最初の銀行強盗(1866年2月13日)ジェシー・ジェームズと、彼の手下の物語。しかし、いくら世界最初だからといって、2月13日を「銀行強盗の日」と記念日にしてしまうのはどうなのか。さすがアメリカ人であるよ。ジェシー・ジェームズは、貧しい者の味方というロビン・フッドのようなイメージがあったのも大きいのでしょうが。

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話の中心にいるのはジェシー・ジェームズだが、物語はジェシーを暗殺したロバート・フォード(ケイシー・アフレック)の目を通したものである。ロバートは劇中ではボブと呼ばれている。ケイシー・アフレックは、目や物憂げな表情が兄のベン・アフレックに似ていますね。

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強盗でありながらカリスマ的魅力を持つジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット)。警察に追われ逃げ続けるジェシーたち。ジェシーには賞金がかかり、仲間の裏切りに怯えながら生活をおくる。仲間も、ジェシーから密告を疑われ、逆に殺されるのではないかと怯えている。全員ビビッております。

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ボブの兄フランク(サム・シェパード、左)。ジェシーが自分の裏切りに気づいているのではないかと怯えている。

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「あ~、もう無理ー。絶対殺されますわー」と意気消沈のフランク。しかし、顔に出る人だな。夜は、毛布の下で泣いてるし。

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ジェシーは観察力が鋭く、相手の失言を見逃さない。日常会話も、冗談を言っているようで、相手が裏切ってないか常に観察している。常に試されているようで落ち着かない。誰かがたえず自分の命を狙っている生活は、人の精神を確実に蝕んでいく。ジェシーは陽気だったり、ふさぎこんだり、感情の振幅が激しかったとあるが躁鬱病だったのかもしれない。

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人を見定める感じの独特な目つきが多いんですよねえ。ジェシーの目はすべて見ぬいてしまいそうで恐ろしい。

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どんなときも銃を手放さない。庭でくつろいでいるように見えて、右の新聞の間には銃がある。寝ている間も銃を持っている。

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ジェシーが強盗に成功したのはたぐいまれな観察力のおかげなのだろう。その観察力は敵だけではなく味方にも発揮される。かつての仲間の裏切りにも気づく。目を掛けてかわいがっていたボブも疑わざるを得ない。ジェシーの鋭敏さがジェシー自身を苦しめていたのかもしれない。この映画はずっと「ジェシーにばれているのでは? いや、まだばれてない!」の繰り返しなのだ。モヤモヤする。

原題にあるとおり、ジェシーを暗殺したボブは「the Coward」(臆病者、卑怯者)と悪く描かれている。ふつう、映画を観るときは無意識に主人公に感情移入しているものだけど、主人公のボブはあまりよく描かれてないんですよね。殺されるほうのジェシーが魅力的に描かれている。こうなると、ボブの視点でありながら、暗殺が成功してほしいのかほしくないのか、よくわからないことになっている。

でも、それはボブの本当の気持ちで、憧れであるジェシーを殺したいのか殺したくないのか、またジェシーから殺されるのではないかと混乱もしている。屈折した心情が描かれているが、ちょっとわたしにはわかりにくかった。結果、モヤモヤするという。モヤモヤしたい人にお薦めです。

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