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2015

映画「人生の特等席」

人生の特等席
Trouble with the Curve / 2012年 / アメリカ / 監督:ロバート・ロレンツ / ドラマ、野球、恋愛

名称未設定-1
娘にかまってほしい。
【あらすじ】
視力の落ちたメジャーリーグスカウトが娘と仲直り。



【感想】
性格の良い者が報われて、意地悪な者に罰がくだるという王道の展開です。安直と考えるか、安心して観られると考えるかは観客次第なのでしょう。こういった映画を求める人にとっては完成型の作品。鑑賞後、嫌な気分にならないというのは大事なことだと思います。

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監督をやらないクリント・イーストウッドは久しぶりですね。80歳を超えても姿勢が良くて元気なおじいちゃんである。もう、晩年のジャイアント馬場を観る感じになっている。のっそりと動くジャイアント馬場が、全盛期の三沢からエルボーをくらっても立ってるだけですごいというか。たとえ、ジャイアント馬場が上げた足に、対戦相手が自分から突っ込んできても、その評価は変わらないのである。60歳を超えて足が上がるだけすごい。もう生きてるだけですごい。馬場すごい! という心境で観てました。馬場の話はいいんでないの。

クリント・イーストウッドである。しかし、矍鑠としてますね。すごいなあ。親子関係がうまくいってなかった娘(エイミー・アダムス、左)との和解の物語です。親子というにはちょっと歳が離れすぎている気もするけど。

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弁護士の仕事を放り出し、忙しい中でも父親の仕事を手伝いに来た娘。父親は目が衰えてるので、わたしがなんとかしなければ! という。娘は記録マニアではないかと思うほど、野球に詳しいのだった。詳しすぎて引くレベルである。

ふつう、年ごろの女の子にとって野球なんてさして関心がないと思う。今日の隣の晩御飯が何かと同じぐらいどうでもいい。でも野球のことをわかってくれるのだ。娘よ!

嬉しくても顔に出さない頑固さがいい。帰れ!って言ったりする。何もそんなこと言わんでも。

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球場で出会った他の球団のスカウトであるジョニー(ジャスティン・ティンバーレイク、左)。「ソーシャル・ネットワーク」での印象が強いですね。あっという間に娘と恋に落ちるのでした。ぬぬぬ‥‥お、俺の娘を‥‥と思いつつも、野球好きだからまあいいかと思わないでもないのだった。

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外国人はどういうタイミングで墓参りに行くのだろう。日本のように、お盆に一家そろってという感じでもないし。気が向いたときかな。

この映画は、中高年を観客に想定したのだろうか。父親の願望の投影を強く感じるんですよね。関係がギクシャクしていても自分のことを好きでいてくれる娘。いざとなれば、自分の仕事を放り出してまで駆けつけて手伝ってくれる。自分の健康を心配してくれる。ようは娘にかまってほしいという。そして、娘のボーイフレンドも、自分の大好きな野球関連の仕事をしている。

父親視点からの親子関係の理想像を具現化した作品なのかもしれない。

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こちらは全球団から注目される、性格が悪くて実力がある選手。性格の悪さが板についていてすばらしい。彼を獲得するかどうかで意見が分かれる。球団はプログラムを使って選手の分析もしており、そのプログラムによればこの選手を獲るべきだという結論になる。この図式はよくありますね。機械対人という。そのプログラムを利用している人間が、また性格が悪いのだった。

この映画は性格が悪い人間が罰せられる。時代劇を観るような、勧善懲悪に近いものを感じた。この映画を観る層が現実の不条理さを知り過ぎているから、映画の中だけは勧善懲悪を実現したのだろうか。勧善懲悪ハッピーエンドが好きな人にはとてもいい作品になっていると思います。

正直なところ、展開に都合が良すぎるものを感じた。だけど、わたしが老境にさしかかり、娘が映画のヒロインと同じ年齢になったとき再びこの映画を観れば、まったく違う感じ方をするのかもしれない。娘がいる感じで書く、この気持ち悪さ。いません。

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