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2015

映画「7DAYS リベンジ」

7DAYS リベンジ
Les 7 jours du talion / 2010年 / カナダ / 監督:ダニエル・グル― / サスペンス

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怒りのパパ、地獄の拷問。復讐は人の心を救うのか。
【あらすじ】
一人娘を殺された父親は犯人を捕まえて拷問を行う。



【感想】
残酷な方法で被害者が殺されたにもかかわらず、犯人が死刑にならないことがある。判決の妥当性について、誰しも疑問を持ったことはあると思います。もし犯人がまったく反省してないとしたら、犯人を許すことができるだろうか。犯人に被害者と同じ恐怖や苦しみを与えて殺したい、そんな暗い欲望を持ったとしても不思議はない。

映画の舞台となったフランスでは死刑は廃止されており、犯人が死刑になることはない。8歳の娘ジャスミンをレイプされて殺されたハメル(クロード・ルゴー、右)は犯人を誘拐して殺害することを決意する。

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画面の色が暗くて音楽もない。主人公ハメルの心情を表しているようで、それは映画の間中ずっと変わることはない。とても抑制が効いていて、すべてが淡々と描かれている。淡々と拷問もします。

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左の写真はハメルの一人娘。右は捕まえた犯人の膝をハンマーでゴーン! とやる直前の図。もう痛そうなので画像も小さくしました。ハメルの職業が医師ということもあり、どういった苦しみが効果的が熟知している。しかし、この犯人役の人、よくこの役を引き受けましたね。ほとんどの時間を裸で吊るされてえらい目に遭ってますよ‥‥。

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ハメルの暴走を食い止めようとする刑事。この人は本当に良かったですね。ハメルが「なぜ犯人を助けようとするんだ」と問い掛けると「犯人を助けたいんじゃない。君をとめたいんだ」と答える。この刑事も、別の事件で妻を殺害されて苦しんでいる。犯人は命を奪われることもなく、刑務所でのうのうと過ごしている。

周囲の反応はおおむねハメルに好意的である。連続レイプ殺人犯に対して同情する人はいない。だが、娘を同じ犯人に殺害された母親の一人はハメルに反対する。自分の娘を殺されても、なお復讐に同意しない。彼女の存在はハメルを混乱させるが、ハメルに考えるきっかけを与えたようにも思える。

復讐が正しいかどうかというのは結論が出る話ではない。犯人を殺すことで納得する人もいるだろう。また、犯人を殺しても被害者は帰ってこず、自分があらたな殺人をしているだけだと考える人もいるだろう。復讐をした当初は納得しても、何年か経った後に殺人を悔やむことになるかもしれない。万人が納得する答えなどなく、それでも刑罰は定めなくてはいけない。

イランのように被害者や遺族が犯人に同じ苦しみを与えるキサール刑(同害報復刑)がある国もある。日本も明治時代になるまでは仇討が認められていた。復讐が合法とされていた時代、復讐した人々は少しでも満足したのだろうか。

物語の終盤、ハメルは娘の幻覚を見る。娘の姿は犯人に乱暴されたときのままであり、泥で汚れている。ハメルは娘の体を洗ってやるが、娘の手首から流れる血はぬぐってもぬぐっても止まらない。娘の幻覚が流す血は、ハメルの心の傷である。ハメルは犯人にすさまじい復讐をしたが、彼の心の傷は癒されることはなかったのだろう。ハメルは犯人を憎んだのは当たり前だが、同時に自分も憎んでいたのではないか。いくら犯人に苦痛を与えようと、娘を守ってやれなかった自分を許すことができない。

新聞記者からのハメルへの質問が印象的だった。
「今でも復讐が正しい答えだと?」
「いや」
「では後悔されてますか?」
「いいや」

復讐を果たしても死んだ人間は帰らない。そんなことはわかっている。だが、それでも復讐せずにはいられない。拷問はえぐい、救いはない、後味は悪くて観た後どんよりする、ここまでマイナス要素が揃ったら逆に観たらいいんじゃないのか。 観て「ぐえええ‥‥」ってなったらいいと思います。

後味最悪ですがよい映画です。後味というかさ、観ている途中がもう最悪なのよね‥‥。痛い場面があるのでご注意ください。

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