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2015

映画「カイロの紫のバラ」

カイロの紫のバラ
The Purple Rose of Cairo / 1985年 / アメリカ / 監督:ウディ・アレン / ファンタジー、ラブコメディ

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わずかな光さえあれば。
【あらすじ】
映画が好きすぎて、スクリーンから登場人物が出てきました。



【感想】
子供の頃からよくわからないものが二つある。生ハムメロンとウディ・アレン映画である。生ハムメロンについてはまたどこかで語られるであろう。語られなくても良いと思います。

そんなウディ・アレンの映画ですが「ブロードウェイと銃弾」が面白かったので、これも観てみた。わたし、ウディ・アレンを誤解していたかもしれぬ。ウディ、いいんじゃないの? なあ! ウディ! なれなれしい。

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舞台は1930年代、世界恐慌の影響で不況にあえぐアメリカニュージャージー。妻のセシリア(ミア・ファロー、右)はウェイトレスや洗濯をして失業中の夫モンク(ダニー・アイエロ、左)との生活を支える。モンクは不況を言い訳に仕事をしない。妻に酒代をせびり、賭け事をし、浮気をし、暴力を振るう。飲む、打つ、買うプラスワンで暴力も付いちゃった。なかなかのダメ人間ですなー。

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セシリアはウェイトレスをするものの、映画が好きすぎて、仕事中も映画の話ばかり。皿は割るし、客は待たせるし、私語ばかりという、そりゃクビになりますよ‥‥。

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セシリアは、映画を観ている時だけは貧しい生活や暴力を振るう夫を忘れられる。セシリアのスクリーンを見つめる表情がすばらしい。彼女にとっての映画は、ただの娯楽といういより救いに等しい。

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あんまりセシリアが映画館に通いつめるので「あんた、もうこの映画5回目やで‥‥」と、登場人物がスクリーンから出てきちゃいました。映画の登場人物トム・バクスター(ジェフ・ダニエルズ)。「カイロの紫のバラ」という劇中劇の探検家役。セシリアと恋に落ちる。

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トムが画面外に逃亡したので、映画が進まない。「あいつ、端役のくせに逃げやがって!」と怒っている中の人たち。トムが戻ってくるまで仕方なく雑談している様子がいいですね。

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逃げ出したトムを説得するのにやってきたトム役のギル・シェパード(ジェフ・ダニエルズ)。本人が本人を説得する感じ。ややこしいなあ、もう。説得に来たギルはセシリアと出会う。ギルは、セシリアが自分の映画を観てくれているので、嬉しくなって恋に落ちる。みんなすぐに恋に落ち過ぎである。

セシリアは、架空のトムか現実のギルを選ぶかで揺れる。貧しく希望のない生活にあえいでいた彼女にとって、まさしく夢のような展開だった。だがやがてギルはハリウッドに去り、トムも画面内に帰ってしまい、彼女はまたろくでなしの夫の元へ戻るしかないのだった。

この終わり方を救いがないと言うかもしれない。

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彼女は再び映画館に入り、スクリーンに見入る。人生は、誰か一人でも自分の理解者がいれば渡っていけるのではないかと思っていた。だが、誰一人理解者がいなくても、どんなつらい生活でも、ささやかな喜びがありさえすれば生きていけるのではないか。それは過去の幸福な記憶でもかまわない。この映画は、残酷な終わり方などではなく、生活に疲れた者への優しさを感じさせた。画面を見つめるセシリアの表情は美しく輝いている。

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2 Comments

かくこ  

ウデイアレンの映画、最近、ブルージャスミンというのをみました。あれ?ウデイアレンだよね?
ブルージャスミンを見終わった後の自分の落ち着けどころを、セシリアの映画も観ることでなんか確立できるかなと思いましたよ。

2015/05/26 (Tue) 12:37 | EDIT | REPLY |   

しゅん  

No title

あれ、ウディ・アレン観るなんて珍しいですね。

だいたいいつも「筋肉」と「嫉妬」の二本立てというイメージだったのに。
お互い、その路線でやってきたじゃないか!

「カイロの紫のバラ」が貧しい生活の中のささやかな希望ならば「ブルージャスミン」はお金はあったけれど‥‥みたいな話でしょうか。粗筋読んだだけですが。
今度探してみようかなあ。なにやら、つらい話っぽいですね。

2015/05/29 (Fri) 08:23 | EDIT | REPLY |   

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