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2015
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映画「31年目の夫婦げんか」
31年目の夫婦げんか
Hope Springs / 2012年 / アメリカ / 監督:デヴィッド・フランケル / ドラマ、コメディ

それでもとにかくセックスがしたい!
【あらすじ】
熟年夫婦の単調な生活。子供はすでに独立し手がかからない。夫も自分も仕事は順調。生活に不安はなく、経済的にも安定している。だが、何かが欠けている気がする。いつの間にか家庭での会話は減り、夫婦の寝室は別になってしまった。
【感想】

かつてはあんなに熱烈に愛し合ったわたしたちが、今ではそんなに会話もありません。夜の生活も‥‥。ということで、カウンセリングを受けに行きたいと思った妻ケイ(メリル・ストリープ、左)。妻の話など、新聞を読んで右から左へ聞き流す夫アーノルド(トミー・リー・ジョーンズ、右)。
「今日の晩御飯、ドッグフードでいい?」と訊けば「うんうん‥‥」と答えるだろう。まったく話を聞いていない。
夫婦が恋人気分でいられるのは結婚してからどのぐらいまでなのだろう。妻は、夫ととの生活に特に不満はない。だがやはり新婚時代のようにセックスがしたい。昔と違って平均寿命も延びている。健康な中高年も増えた。だとすれば、夜の生活を望む期間が伸びるのも自然なことかもしれない。
で、夫のほうはどうかといえば、夜の生活はどうでもよくなっているのだ。それよりゴルフ番組が観たいんだけど、と思っている。

夫妻が相談した有名なフェルド医師(スティーヴ・カレル)。一週間で相談料が4000ドルである。わーお。1ドル100円でも40万か。人気のある先生に頼むと、こんなにかかるのだろうか。それともこれは皮肉なのかな。
何不自由ない暮らしをしながら、何かが欠けていると思い込んだ夫婦が、効果があるんのかわからないカウンセリングに高額の相談料を支払う滑稽さという。

妻のほうはすこぶる真剣で、このまま夜の生活が復活しないならば離婚も辞さないという勢い。夫も、なんとかムードを作ってがんばろうとしているのが微笑ましい。だが、若い頃とは違って容色の衰えた妻が相手ではうまくいかないのだ。こんな残酷な場面をよく撮ったなあと思います。
セックスはできなくなっても、家族ということでは駄目なのだろうか。一緒に暮らしてきたのだから当然情はあるのだし。もし、若い頃と同じようにセックスができなければ幸せではないと思い込んでいるのなら、その思い込みこそが不幸を作り出している。だが、妻はセックスにこだわり、夫も妻への愛情に応えなんとか再びセックスに成功する。こういうことは本人同士の問題だから、常識や世間は考えなくてもいい。本人たちが本当にセックスを望むなら、それも正しいことだと思う。
日本人はアメリカ人に比べてカウンセリングを受けることは少ない。だから夫婦でここまであけすけに物を言うことはないのだろう。でも、ごくたまには、お互いを理解するために本音を打ち明けあってもいいのかもしれない。
夫は医師から「してみたかったことを言うように」と言われ、正直に「3Pがしたかった」と答えている。
やっぱり本当のことなんて言わなくていいと思うんです。

Hope Springs / 2012年 / アメリカ / 監督:デヴィッド・フランケル / ドラマ、コメディ

それでもとにかくセックスがしたい!
【あらすじ】
熟年夫婦の単調な生活。子供はすでに独立し手がかからない。夫も自分も仕事は順調。生活に不安はなく、経済的にも安定している。だが、何かが欠けている気がする。いつの間にか家庭での会話は減り、夫婦の寝室は別になってしまった。
【感想】

かつてはあんなに熱烈に愛し合ったわたしたちが、今ではそんなに会話もありません。夜の生活も‥‥。ということで、カウンセリングを受けに行きたいと思った妻ケイ(メリル・ストリープ、左)。妻の話など、新聞を読んで右から左へ聞き流す夫アーノルド(トミー・リー・ジョーンズ、右)。
「今日の晩御飯、ドッグフードでいい?」と訊けば「うんうん‥‥」と答えるだろう。まったく話を聞いていない。
夫婦が恋人気分でいられるのは結婚してからどのぐらいまでなのだろう。妻は、夫ととの生活に特に不満はない。だがやはり新婚時代のようにセックスがしたい。昔と違って平均寿命も延びている。健康な中高年も増えた。だとすれば、夜の生活を望む期間が伸びるのも自然なことかもしれない。
で、夫のほうはどうかといえば、夜の生活はどうでもよくなっているのだ。それよりゴルフ番組が観たいんだけど、と思っている。

夫妻が相談した有名なフェルド医師(スティーヴ・カレル)。一週間で相談料が4000ドルである。わーお。1ドル100円でも40万か。人気のある先生に頼むと、こんなにかかるのだろうか。それともこれは皮肉なのかな。
何不自由ない暮らしをしながら、何かが欠けていると思い込んだ夫婦が、効果があるんのかわからないカウンセリングに高額の相談料を支払う滑稽さという。

妻のほうはすこぶる真剣で、このまま夜の生活が復活しないならば離婚も辞さないという勢い。夫も、なんとかムードを作ってがんばろうとしているのが微笑ましい。だが、若い頃とは違って容色の衰えた妻が相手ではうまくいかないのだ。こんな残酷な場面をよく撮ったなあと思います。
セックスはできなくなっても、家族ということでは駄目なのだろうか。一緒に暮らしてきたのだから当然情はあるのだし。もし、若い頃と同じようにセックスができなければ幸せではないと思い込んでいるのなら、その思い込みこそが不幸を作り出している。だが、妻はセックスにこだわり、夫も妻への愛情に応えなんとか再びセックスに成功する。こういうことは本人同士の問題だから、常識や世間は考えなくてもいい。本人たちが本当にセックスを望むなら、それも正しいことだと思う。
日本人はアメリカ人に比べてカウンセリングを受けることは少ない。だから夫婦でここまであけすけに物を言うことはないのだろう。でも、ごくたまには、お互いを理解するために本音を打ち明けあってもいいのかもしれない。
夫は医師から「してみたかったことを言うように」と言われ、正直に「3Pがしたかった」と答えている。
やっぱり本当のことなんて言わなくていいと思うんです。
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