04
2015

映画「陸軍中野学校」

陸軍中野学校
1966年 /日本 / 監督:増村保造 / サスペンス

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スパイはあらゆることを知っていなければならない。そう、性感帯さえも!
【あらすじ】
スパイになれと言われました。



【感想】
実在した大日本帝国陸軍のスパイ養成機関である陸軍中野学校が舞台。スパイになれば出世もない。スパイであることが露見すれば殺され、国には見捨てられる。それでも国のためと信じてスパイになることを選んだ者がいる。

家族も恋人も捨てスパイとなった三好次郎陸軍少尉(市川雷蔵、左)。端正なマスクで、感情を表に出すこともない。

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右は、草薙中佐(加東大介)。よく感情が出ますね、この人は。熱い人です。陸軍中野学校はまだ海のものとも山のものとも知れず、陸軍内部でも地位が認められているとは言い難い。だが、今後は情報が国家の命運を左右するとの信念から、草薙中佐はスパイ学校の成功に命を賭ける。

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しかし、加東大介はよく見るとかなり福々しい。福の神を実写版にすると、こんな感じになりそう。

スパイ学校だけあって、暗号、射撃、薬品、開錠、語学、職業訓練からダンス、手品など幅広く学ぶんですね。

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スパイは女性の体の仕組みも知らねばならない。わざわざ黒板に「性感帯」って書く必要があるのか。あるんです! それが重要。他には何もいらない。全員真面目に聞いているところがすてき。

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基本的には真面目なサスペンスですが、ちょこっと挟まれる冗談がよいですね。

で、そんな真面目中野学校でしたが、一箇所ちょっと怖い場面があった。陸軍中野学校は出来たばかりで実績がない。まだたいして予算も付けてもらえず、学校自体もどうなるかわからない。そんなおりに、生徒の一人が不祥事を起こしてしまい、それが憲兵隊に見つかる。

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学校取り潰しを避けるため、生徒たちは不祥事を起こした生徒を取り囲んで自決を迫る。「腹を切って死ね。そうすれば憲兵隊もそれ以上は追及してこないだろう」と言う。この感覚が、やはり現代にはないものに思える。

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日本は欧米列強に比べて諜報が遅れており、どうしても中野学校を潰すわけにはいかない。そのためには個人が犠牲になることもやむなしなのだ。結局、この人は責任をとって死を選ぶことになる。本人に責任があり、かつ非常時とはいえ、国のために個人を犠牲にせよと周りが責め立てる光景はやはり恐ろしい。

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三好次郎の婚約者雪子(小川真由美)。三好が突然失踪したため、三好を探すために奔走する。しかし、三好も雪子と別れてからスパイになれなかったのかしら。いきなり消えちゃうからさあ、そりゃ探しますよ。

この時代の美人はふっくらして色っぽいですね。京マチ子や若尾文子も、ふっくらしているし。

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スパイを題材にしていますがアクションシーンはありません。国のために出世栄達をあきらめ、諜報の世界に生きることを決意した者と、恋人を愛するがゆえに事件に巻き込まれた哀れな女性の物語。登場人物の生真面目さ、国を思う真摯さなど、現代との違いも興味深いです。
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