08
2015

映画「アニマル・キングダム」

アニマル・キングダム
Animal Kingdom / 2010年 / 監督:デヴィッド・ミショッド / 犯罪、ドラマ

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居場所を探したら猛獣の檻の中。
【あらすじ】
犯罪者一家に引き取られました。



【感想】
オーストラリア、メルボルンに暮らす17歳の少年ジョシュア(ジェームズ・フレッシュヴィル、左)。母親がヘロインの過剰摂取により死亡。途方に暮れていたところを祖母一家に引き取られる。だが、この一家は犯罪で生計を立てる犯罪者一家でした。

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ジョシュアを演じたジェームズ・フレッシュヴィルは、撮影時、役の年齢と同じ17歳だったそうです。落ち着いていて、もうちょっと年上に見えました。

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犯罪者一家だからといって、べつに身内に暴力を振るったりするわけではない。それどころか、ごく普通の仲の良い家族に見えることもある。そこにリアルさを感じる。

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その中でもポープ(教皇)と呼ばれるアンドリュー(ベン・メンデルソーン)が不気味だった。今一つ何を考えているかわからない。

組織は、より過激な意見を持つ者が注目され、権力を得やすい。新興宗教の暴走や、学生運動の総括など、組織が一部の急進的な意見を持つ者に引きずられ過激化していくことがある。警察にやられっぱなしになっていることに対し、アンドリューは警官襲撃を提案する。この意見に、他の者は逆らうことができないのだ。あまり襲撃に乗り気ではなくても、組織内で舐められないため、なりゆきで犯行に加担してしまうこともある。こういった形で起こる犯罪もあるのかもしれない。

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警察は、襲撃の手がかりを探すがなかなか家族は尻尾をつかませない。そこで、一番若いジョシュアに狙いをつけ切り崩そうとする。ジョシュアは、家族と警察の間で揺れ動くがいったい誰を信用していいのかわからない。警察は本当に自分を守ってくれるのか、家族はジョシュアを裏切り者として処分するのではないか。17歳にして、野獣のど真ん中に放り込まれ、もはや何を信じていいのかわからないジョシュアのためらいが伝わってくる。

家族と警察、どちらを信じればいいのか。選択肢は二つしかないようだけど、実はそうじゃないんですよね。どちらも信用してはいけない。他人任せにしてよいことなど、何もないのだ。だが、それを17歳のジョシュアに求めるのは酷な気もする。

祖母のジャニーンを演じたジャッキー・ウィーバーも光っている。みずからは犯罪に手を染めないものの、裏ですべてを支配しようとする。実はこの人が一番悪いのではないか。おばあちゃん、こわーい!

「野獣の王国」というと、この一家だけが凶暴な野獣のようだが、実は警察も弁護士もしたたかである。本当は世界そのものが野獣の王国だが、それに気づかずにヌクヌクと生きているだけなのだろう。わたしを食べないでほしい。食べても美味しくないと伝えたい。

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