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2015

映画「ショコラ」

ショコラ
Chocolat / 2000年 / イギリス、アメリカ / 監督:ラッセ・ハルストレム / ドラマ、コメディ、恋愛

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拒絶を溶かすのは、甘い甘いチョコレート。
【あらすじ】
閉鎖的な村にお菓子屋を開いたら、いじめられました。



【感想】
最近観た「催眠 -ヒプノティスト-」という作品が気になったので、同監督の「ショコラ」も鑑賞。もっとも「催眠 -ヒプノティスト-」のどこが気になったかと言えば、浮気がばれてかなり空気が悪くなった家庭の描き方が見事という、そんなところだった。映画の本筋とは関係ない。

で、「ショコラ」はそんな嫌な空気を漂わせる作品でなく、気持ちの良い話でしたよ。

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フランスのある村にふらりとやってきたヴィアンヌ(ジュリエット・ヴィノシュ、左)とアヌークの親子。ヴィアンヌは村でチョコレート店を開くことにする。日曜のミサや断食に無関心なヴィアンヌは、信仰に厚い村人たちから敵視される。

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この監督の作品は寒々しい雰囲気がするものが多いですね。単純に画面が青っぽいというだけかしら。童話に出てきそうな古い街並みが魅力的。話も少し現実離れしていて童話的なものを感じさせます。

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ヴィアンヌが本当に魅力的なんですよね。開放的な考え方もそうですが、他者に寛容で肝が据わっている。

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夫から暴力を振るわれていたジョゼフィーヌ(レナ・オリン)に自立を促すだけでなく、彼女を雇う面倒見の良さもある。あああ、姉さん、ぼ、僕も面倒みてください! そう言わせる魅力がヴィアンヌにあります。奴隷でもかまわない。

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チョコレート屋の内装もいい雰囲気ですね。

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大家のいじわる婆さん(ジュディ・デンチ、右)は「売春宿みたい」とか言ってますけど。あんた、ほんと口が悪いな。

そんな意地悪もさらっと受け流してしまうヴィアンヌの柳のようなしなやかさ。しなやかなだけではなく、したたかで強さも感じさせる。でも、好きな男の前では少し弱気な部分も見せる。

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流れ者のジプシー ルー(ジョニー・デップ)。いろんな映画で見かけますが、この映画のジョニー・デップがもっとも魅力を感じました。いたずらっぽい笑顔がたまらん! ずるい!

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そりゃもうメロメロになりますよ。

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敵役である村長のレノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)の描き方もいい。悪役が際立っている映画はいい映画ですね。信仰に厚く、村人を正しい方向に導こうとするレノ伯爵。この人は完全な悪人というわけではなくて、根はいい人というか。進歩的なヴィアンヌの考え方を許容できないので敵視してしまう。

断食中にも関わらず「チョコ、うめー!」と貪り食うところは笑ってしまった。信仰に厚い彼にしてみれば、これは許されざる罪であり、村人に対しても示しがつかない。

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今まで散々意地悪をしてきたレノ伯爵が見せた弱みだったが、ヴィアンヌは「村の人たちには内緒にしておくわ」と、見なかった振りをする。このヴィアンヌの心の広さ。わたしなら伯爵をゆすって泣かす。

ちょっと設定が現実離れしているといえばそうかもしれない。狭いコミュニティで村八分にされたら、店を経営するどころではなくて生活にも困るだろう。まして家を出てきたジョゼフィーヌを雇うこともできない。でも、そこは物語にとって重要ではないから、そんなに気にしなくてもいいのでしょう。どこか童話的なものを感じるのも、生活感がなく現実離れした設定のせいだろうか。

拒絶と寛容について描いたとても気持ちの良い物語でした。ヴィアンヌの気立ての良さに惹かれます。


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