07
2015

トゥモロー・ワールド

CHILDREN OF MEN / 2006年 / アメリカ、イギリス / 監督:アルフォンソ・キュアロン / SF
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子供が人類の希望だとすると、大人とは――。
【あらすじ】
西暦2027年、人類は繁殖能力を失い、その原因も特定できずにいた。少子化ブーム到来です! 少子化というか無子化であって、このままだと絶滅するんじゃ‥‥。


【感想】
監督は「ゼロ・グラビティ」「ハリーポッターとアズカバンの囚人」などのアルフォンソ・キュアロン。

西暦2027年、世界各地では暴動が勃発、不法移民の増加、テロの脅威、格差の増大、現代の社会問題を増幅させたような未来だった。人類は繁殖能力を失っており、世界には18年もの間、子供が誕生していなかった。世界の終わりと閉塞感を象徴するような曇天と瓦礫の山、灰色ばかりが目立つ画面。繁殖能力の喪失は別として、こういった未来は十分にあり得ると考えると、気が滅入ってまいります。

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かつては、革命の闘士として戦ったセオ(クライヴ・オーウェン)。今は政府の側で官僚として働いているものの、やる気もなくダラダラしておる。はー、もうどうせ世界終わってるしー、という。見れば見るほどクライヴ・オーウェンて宇梶剛士に似てるなあ。

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セオの元恋人で抵抗勢力のリーダーであるジュリアン・テイラー(ジュリアン・ムーア、前列右)。彼女はまだ政府と戦い続けている。

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セオはジュリアンから移民の少女キー(クレア=ホープ・アシティ、後列左)の護送を依頼される。彼女は、今では妊娠不可能とされたはずの赤ん坊を身ごもっていた。

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映画では赤ん坊が人類の宝、希望のように扱われる。現実に絶望していたセオも、赤ん坊と母親を守ることに希望を見出す。

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6分間にわたる長回しの戦闘場面は迫力があった。で、カメラについている血糊ですが、これはCGで後から付けたものなんですね。てっきり、途中で止めるのは惜しいから、血糊がついてしまっても撮影を続行したのだと思っていました。斬新な演出かもしれませんが、カメラに血糊がついていることにより、誰かがこのカメラを持って走りまわっていること、これが撮影ということを強く意識させられてしまった。これを臨場感のある演出とみるか、撮影者の存在を意識させられて気が逸れるかは、鑑賞者の好みが分かれそうです。

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富裕層のお家から見える、空飛ぶ豚ちゃん。意味はなさそうですが、いいですね、こういうの。

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政府側にも抵抗勢力側にも正義はない。むしろ抵抗勢力は赤ん坊を道具として利用しようとする。だが、実際に赤ん坊を目にした者たちは、赤ん坊の体に触れようとし、また畏れるように道を開けていく。まさに奇跡を目にした瞬間なのだろう。思えば、たしかに子供の誕生は奇跡であり、未来への希望なのだ。だけど、かつてはわたしたち一人一人が、そんな希望の象徴だったはずである。いつから、大人は希望の象徴から脱落し、お互いを恐れ、憎みあう存在になってしまったのだろうか。

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わたしの好きなマイケル・ケインも出ておりました。「この指を引っ張ってごらん?」と、相手に人差し指を引っ張らせた瞬間にオナラをするというギャグを披露。あんなの、笑うわー。くだらなくて最高。映画自体は気が滅入るような重苦しい雰囲気に覆われていますが、とても好きな作品です。


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