05
2015

her / 世界でひとつの彼女

her / 2013年 / アメリカ / 監督:スパイク・ジョーンズ / 恋愛、SF、コメディ
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恋人の言っている冗談がまるでわからなくなったとしたら。
【あらすじ】
OSに恋をしました。



【感想】
近未来のロサンゼルス。セオドア・トゥオンブリー(ホアキン・フェニックス)は依頼主に代わって想いを手紙に書く代筆ライターの仕事をしている。妻・キャサリンと別居して落ち込んでいたセオドアは、ある日、人工知能型OSサマンサ(声、スカーレット・ヨハンソン)を手に入れる。

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魅力的で優秀なサマンサにセオドアは惹かれていく。サマンサには人格があり、学習して知識欲を満たしていく。

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セオドアは優秀な代筆ライターなんですよね。こういう仕事が高収入というのも未来っぽい。感動的な言葉を書くことで依頼主から感謝されるものの、自分の私生活はうまくいってないというのも面白い。しかし、サマンサは優秀すぎるOSなので、この「代筆」という仕事も十分できそうな気がする。どんどん人間のやることが‥‥。

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別居している妻(ルーニー・マーラ、右)。「サイド・エフェクト」も良かったですが、美しくも怖い人というか。急に不安定になる感じがいいですね。近づくのやめとこ‥‥。

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赤がとても印象的に使われ、インテリアやファッションもちょっとレトロな雰囲気を漂わせて面白い。

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サマンサとの恋愛は、蜜月ののちにサマンサがセオドアの元を去る結果になる。突如PCからいなくなってしまう。なぜサマンサが去ったかは詳しく説明されない。ただ、サマンサが去る前、サマンサはネット上に再構築された故人の哲学者アラン・ワッツとの対話を楽しんでいたり、急速な成長を遂げている。乱暴な言い方をすれば、頭が良くなりすぎてしまったようなのだ。しだいにセオドアとサマンサの間にずれが生じてくる。

もし恋人がとても優秀すぎたとしたら、それは幸せなことなのだろうか。あまりにも頭脳に差がありすぎて言っていることが難しすぎたり、相手が何気なく口にした冗談がわからないとしたら、それはちょっと淋しい気もする。

サマンサがセオドアの元を去ったのは、これ以上一緒にいても何も吸収できないと考えたからではないか。「一緒にいても成長できない」というのは別れの理由の一つになるのかもしれない。人ならば情が移るということもある。頭脳だけではない部分、思いやりや優しさ、無邪気さなどに惹かれることもあるだろうし、容貌や経済力に惹かれることもある。サマンサにとってもっとも重要な価値が「知識」や「真理」であるならば、セオドアがサマンサの欲求を満たせなくなるのは時間の問題だったように思える。

わたしたちは互いに何かを与えあって関係を構築している。親が子に与える愛情ですら無償のように見えて、子供からは笑顔や成長していく満足感を受け取っている。本当に無償という関係は存在しないのではないか。もし相手に何も与えることができなくなったら、関係は崩壊してしまうのだろうか。わたし、無能だからなあ。悩む。

映画の意味は如何様にも受け取れるもので、もう少し時間を空けてもう一度観てみようと思いました。お薦めです。

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