05
2016

フライト・ゲーム

NON-STOP / 2014年 / イギリス、フランス、アメリカ、カナダ / 監督:ジャウム・コレット=セラ / サスペンス
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誰も信じてくれない恐怖。
【あらすじ】
飛行機の中で脅迫されています。



【感想】
乗客に混じって密かに飛行機に搭乗し、空の安全を守る連邦捜査官ビル・マークス(リーアム・ニーソン)。いつものように飛行機に乗り込んだ彼の元に「1億5000万ドルを指定の口座に振り込まないと、乗客を20分おきに一人ずつ殺す」という脅迫メールが届く。犯人は機内の乗客に紛れ、確実に予告を実行していく。

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リーアムファンのわたくしとしては、リーアムの出番が多くて嬉しい。でも、この映画のリーアムはずっと具合が悪そうなんですよねえ。なにせ、この人、空の安全を守る仕事なのに飛行機が苦手だから。離陸のとき、お守りのリボンを握って、ずっと震えている。あんた、この仕事、向いてないな‥‥。心配!

監督は「エスター」「アンノウン」などを撮ったジャウム・コレット=セラ。「エスター」が面白かったのでこれも期待して観ました。

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ビルは、過去に娘を亡くしており、その傷がまだ癒えていない。アルコールに依存し、勤務中に隠れて酒を飲んでしまうこともある。ちょっと精神的にも不安定なんですよね。そんで、脅迫事件を解決しようと、乗客に協力を求めるのだけど、やり方が強引で暴力的なのだ。緊急事態とはいえ、まったく乗客の理解を得られない。乗客どころか、機長や客室乗務員からも信頼が得られない。ビルのことを実はハイジャック犯ではないかと疑いすらする。がんばればがんばるほど裏目に。こういう人いるわー。

恐怖にはいろんな種類があって、もっともわかりやすいのが暴力や死など、身体を直接に害するものだと思う。だけど、ビルのように「誰からも信じてもらえない」という恐怖もある。これは、純粋な恐怖というより、悲しさや孤独感も混ざる。思えば「エスター」は、愛らしい少女が実は殺人鬼という話で、彼女に疑念を抱いた者が周りに訴えようとするが、誰も信じてくれない。「アンノウン」も、記憶をなくした主人公が妻などに無視される不可解な状況に陥る。監督は「誰からも信じてもらえない」というのが好きなのかな。こうやって、一つのテーマを撮り続けるのも面白いかも。

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リーアム・ニーソンの他には乗客(ジュリアン・ムーア、左)と黒人の客室乗務員(ルピタ・ニョンゴ)ぐらいしか、有名な俳優はいない。ジュリアン・ムーアは今回もですが肝っ玉姉さんみたいな役が多いなあ。ルピタ・ニョンゴは「それでも夜は明ける」で奴隷のパッツィーを演じている。つい、俳優の知名度から犯人を当てたくなってしまいますね。

で、犯人はといえば、誰でも良い感じなんですね。替えがきくやり方で、トリックとしてはまったくフェアではない。主人公と観客が同じ材料を提示されて、そこから推理していくようなタイプではない。ちょっとずるいといえばそうなんだけど、監督としてはそういうところではなくて、しだいに追い詰められていくビルの焦りや、メールで予告をして確実に乗客を殺害していく犯行の不可解さを見せたかったのだろう。公正かどうかというのはミステリー好きには重要かもしれないが、今回はそこはいいのでしょう。

しかし、動機がねえ、ちょっと苦しいのではないか。そりゃ、あんまり無茶だと思いますよ、ええ。そういった意味で、犯人さんにはもうちょっとがんばってほしかった。トイレの中という狭い空間での格闘、無重力状態の銃をつかむ見せ場なども楽しめました。

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