05
2016

エリート・スクワッド

Tropa de Elite / 2007年 / ブラジル / 監督:ジョゼ・パジーリャ / ドラマ、犯罪
333ri.jpg
【あらすじ】
 警察の腐敗が許せないので特殊部隊に入隊した。


【感想】
 以前に書いた映画の感想をいくつか読み直した。2、3年前に書いたものとはいえ、そのつたなさに愕然とし、恥ずかしさで削除したくなった。下手なのは仕方ないことだが、だいたいの感想に「顔が面白い」と書いてあって困った。お前の感想、顔が面白いしか書いてないだろうという。

クリップボード02

この作品は警察の腐敗をブラジル特殊部隊BOPE(ボッピ)の若手隊員の視点から描いたもの。この特殊部隊の隊長ナシメント(ヴァグネル・モウラ)がすさまじく怖い人でねえ。そんで、やっぱりお顔が面白い! まったく成長してなくて申し訳ない。でも顔が面白いって大事ですねえ。

クリップボード06

南米映画によくある権力とマフィアの結びつき、腐敗に対抗する戦いの物語。スラムの様子が実にいいですねえ。実際、スラムに入って撮影したそうで、撮影中に本物の銃撃戦が始まったという監督のこぼれ話が最高ですね。恐ろしい。

11236931ori.jpg

この映画は主人公が三人いて、そのうちの一人がマチアス(アンドレ・ハミロ、左)。弁護士資格の取得を目指し、大学に通う正義感の強い警官。ブラジルでは警察の腐敗が多いせいか、警察が軽蔑されており、マチアスは自分が警官であることを隠して大学に通っているんですね。こういう国民感情も興味深い。

で、金持ちの大学生たちは、口ばっかり一丁前でたいして勉強もせずに麻薬ばっかりやっているという。学生はいつの時代もそうか。そればかりかスラムの麻薬組織から仕入れた麻薬を大学で売りさばいている。警察の腐敗を責める大学生が、麻薬組織の手先みたいなことをやっているのだから、マチアスにしてみれば怒り心頭なわけです。「このボンボンがあ!」って、大学生をボコボコにしますけども。だいたい誰かをボコボコにしている映画である。

11236935ori.jpg

マチアスと同期の新人警官ネト(カイオ・ジュンケイラ)。マチアスと違って勉強はさっぱりですが、なにせ血の気の多い正義漢。最初は車両整備に配属される。警察の腐敗の描写がすごくて、これはどこらへんまでリアルなのだろう。上から「明日までにパトカーを使えるようにしとけ」と命令され、車両を整備しようにも、車の部品を同僚の警官たちが盗んでいってしまう。それを上司に報告すると「よし、調査することにしよう。責任者はおまえだ!」と言い残し、どっか(ワイロの集金?)に行ってしまう。どうですか、この丸投げ感。なかなかのものですよ。

殺人事件が管轄内で起きたときも、死体をよその管轄に移動することで「解決した!」と喜んでいる。斬新な解決法だなオイ。ところが、他の警察も相当腐っているらしく、夜のうちにちゃっかり死体をこちらに寄越している。上司は、しょうがないから、川に捨てて水死にするか! と適当なことを言ったり。「水死っていっても銃で撃たれた跡がありますが‥‥」と指摘するマチアスだが「なんとかしろ」と言われてしまう。なんとかて。なにこの警察コント。

あと、ほぼみんなワイロを取ります。警察とはいったいなんだ。

クリップボード04

警察の現状に嫌気がさした二人は特殊部隊BOPEへの入隊を決意する。ここから面白くなってきますねえ。100人中5人とか3人しか残らないというBOPEの地獄の訓練。麻薬組織と交戦するのだから、どんな脅しにも屈服しない精神力が必要なのだけど、ここまでしないと駄目なのかというほどの厳しさです。ここを潜り抜けたらどんな修羅場でも大丈夫でしょうねえ。

107720ori.jpg

BOPEの隊員を殺してしまった麻薬組織のボスが慌てふためいて逃げ出す場面がある。隊員が殺されると必ず復讐するというBOPEの追跡はすさまじい。BOPEの取り調べは無茶苦茶で、未成年だろうと拷問も当たり前だし、膝を撃ち抜いて吐かせたり、もう容赦がない。もし、間違っていたらどうするのだと気になるけど。誰も気にする様子がないなあ‥‥。

BOPEの勇敢さは確かに文句なくかっこいい。だけど、BOPEのような部隊が生まれざるを得なかった腐敗の根深さは相当なものなのだろう。警察、軍隊、犯罪映画が好きな人には間違いなくお薦めです。

本作「エリート・スクワッド」には続編「エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE」があります。こちらもいい作品。1作目よりも警察署内や政治家との駆け引きが多くドロドロ感が増量中。観るしかないなあ!

わたしは2を先に観てしまったのですが、1と2は別の話なので2だけ観ても話はわかります。 とても心温まるいいお話です。お薦めです。




2のほうだけはAmazonプライムにあるようです。
関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment