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2016

映画は映画だ

2008年 / 韓国 / 監督:チャン・フン / ドラマ
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【あらすじ】
人手が足りないので、ヤクザだけど映画に出ました。



【感想】
俳優のチャン・スタ(カン・ジファン)は撮影で熱くなると、相手をケガさせてしまう常習犯。悪い人間ではないが、周りが見えなくなってしまう。立て続けに共演者をケガさせ、誰も相手役をやりたがらない。撮影の続行もままならない。そんなとき、ふとしたことから知り合ったヤクザを相手役にすることを思いつく。

スタは、どこかで見たような風貌だと思ったら、向井理さんとオードリーの若林さんを足したような感じ。角度によってはものすごく若林さんに似てるんですよねえ。

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かつては俳優志望だったというヤクザのイ・ガンペ(ソ・ジソブ)。たまにすごく気弱そうな眼差しをするところが母性本能をくすぐられてキュンキュンきます。わたし、ゴリゴリのおっさんですけども。

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この表情ですよ! わかりますか? ああ、わたしだけが彼の苦しみをわかってあげられる! そんな気になりませんか。

早く病院いこ。な? 

ガンぺが本当に魅力的でしたね。さびしそうなところもですが、子分とふざけて撮影ごっこをやるところが良かったなあ。子供のように無邪気で。あの子分も実にいいキャラでした。

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まったく住む世界が違う二人が徐々にお互いを認め合っていく。こういった「対立する二人」が軸になる作品はよくある。F1を舞台にした「ラッシュ/プライドと友情」も良かったですね。作品の出来を決めるのが、仲良くなる速度といいますか、あんまり簡単に仲良くなってしまうと甘すぎて面白くない。でも、ずっと対立したままで仲が悪いのも欲求不満になる。いちゃつき方の度合いというか、二人の距離感が絶妙です。

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緊迫感があり、仲良くなりそうで、なかなかならず、なったと思ったら‥‥という。お互いの世界がやはり交わらないものだということをヤクザのガンぺははっきりと見せつける。その苦さがいい。

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もう一つの見どころは干潟での殴り合い。この場面は映画内で「名場面」ということになっている。こういうのはすごく難しい。映画内に出てくるカリスマ性のあるもの、たとえば伝説の歌手、バンド、名曲、名画、面白い漫才などの設定があっても、映画内でいざそれらが表現されると、どうしても「それほどでもない」と思ってしまう。

この干潟での殴り合いも、クライマックスの名場面として撮られる。

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こちらの期待が上がりきっている状態で、それでも本当に名場面になっている。実際に殴り合ってるんじゃないかと思うぐらいでした。

韓国映画というと過激な暴力描写がすばらしいですが、この映画は激しい暴力はないので、暴力描写が苦手な人も楽しめそうです。もう戻れないところまで来てしまった人間が、かつての夢を取り戻しに行くところに、はかなさを感じます。ガンぺの目がいいんだろうなあ。

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監督役でコ・チャンソクも出ています。コミカルな役が本当にいいですねえ。この人、「高地戦」でも出てましたね。女優のホン・スヒョンもきれいでした。


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