13
2016

メイジーの瞳

WHAT MEISIE KNEW / 2012年 / アメリカ / 監督:スコット・マクギー、デヴィッド・シーゲル / ドラマ
top.jpg
誰でもいい。誰かが傍にいてくれたら。
【あらすじ】
忙しい両親が離婚。子供がたらい回しにされます。



【感想】
両親が離婚、6歳の少女メイジー(オナタ・アブリール、中)は共同親権を持つ両親の家を10日ごとに行き来することに。だが、歌手の母スザンナ(ジュリアン・ムーア、右)、美術商の父ビール(スティーヴ・クーガン、左)はメイジーを愛しているが、共に過ごす時間がない。

07.jpg

メイジーのベビーシッターだったマーゴ(ジョアンナ・ヴァンダーハム、右)は、父ビールの新しい恋人に。

13.jpg

それにあてつけるかのように母スザンナは、バーテンダーのリンカーン(アレキサンダー・スカルスガルド)を新しい恋人にする。

02.jpg

メイジーは両親の恋人たちともうまく関係を築いていく。しかし、彼らもまた時間がない。メイジーは全員から愛されているにも関わらず、4人の間をたらい回しにされてしまう。4人は始終言い争いをしている。メイジーは一言も文句を言わないし、駄々をこねたりもしない。大人の言うことに黙って従い、ときおり無表情になるだけだ。メイジーが静かに傷ついていく様子に心が痛む。映画のほとんどの時間、メイジーがたらい回しにされる様子を見せつけられるわけで、ほんと、お前らいいかげんにせえよって、なりますよ。わたしは泣く。

04.jpg

特にジュリアン・ムーア演じるスザンナが最高に最悪というか。嫌な役をやっているからこれが正解なのだけど、わたしはしばらくジュリアン・ムーアが嫌いになった。許すまじ。でも、実はスザンナのような人は珍しくないのかもしれない。仕事が充実しており楽しく、恋人や友人との時間も楽しみたい。子供のことを愛していないわけじゃない。だけど自分の時間だって大事にしたい。わかるような気がするのだ。

01.jpg

メイジーは何度たらい回しにされようと文句を言わなかったが、リンカーンの職場に置き去りにされ、知らない人間の家に泊まることになったときだけは一筋の涙を流した。この映画を観ていると、家族の在り方を考えさせられる。家族は血が繋がっていることよりも、どれだけの時間を一緒に過ごしたか、必要な時にそばにいたかが大事なのかもしれない。

16.jpg

両親は裕福で、不在の埋め合わせをするようにメイジーにオモチャ、ぬいぐるみ、洋服などのプレゼントをする。抱きしめて「世界中で一番愛している」と言う。「愛している」という言葉を使うことはないから、「愛している」という言葉について考えたことがなかった。自分が愛してさえいれば、愛される対象が不幸でもかまわないのだろうか。愛とはそんなに一方的なものだろうか。自分にとって大切な人が幸福でいるよう望むことが「愛している」ということに思える。定義は人それぞれなので、なんとも言えない話ですけど。

10.jpg

母スザンナと父ビールはとても良く似ているんですね。どちらも、メイジーを自分のものにしようと思っていたのだけど、二人ともその資格がないことに気づく。忙しい両親より、メイジーと共に過ごせる人間と暮らす方が、メイジーのためになる。最後に二人はようやく自分ではなくメイジーの幸せを第一に考える。メイジーの幸福のためには自分たちがいないほうがいいというのはずいぶん皮肉な話だけど、でも彼らははじめてメイジーに「愛している」と言える資格ができたのだろう。自分の意思を表に出すことがなかったメイジーが、初めて自分の意思で家族を選ぶ瞬間は、彼女の成長を思わせた。

03.jpg

メイジーを演じたオナタ・アブリールがかわいらしかったですねえ。もっともかわいらしい時期を撮ることができたのだと思います。とてもいい映画でした。メイジーの衣装もお洒落でしたね。ジュリアン・ムーアはヒステリックで怖いので反省してください。


関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment