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2016

ミッドナイト・ガイズ

STAND UP GUYS / 2012年 / アメリカ / 監督:フィッシャー・スティーヴンス / 犯罪、コメディ
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人生の楽しみってなに? 
【あらすじ】
28年間の服役を終え出所。でも、明日、殺されるんだってー。ひどい。 



【感想】
おじいちゃんたちが大活躍という映画がありますが、こういうジャンルをどう呼べばいいのだろう。昔取った杵柄ものとか、シルバーものとか、ストレートに老人映画とか。わたしはこの手の作品が大好きですので、レンタル店で専用にジャンルを作ってほしいものです。あ、暴走老人とかどうでしょう。店員に「その作品でしたら、暴走老人の棚にございます」などと言われたら、たまらん!

アル・パチーノ(右)が本作で5年ぶりの主演ということで、ずいぶんとお久しぶり。クリストファー・ウォーケン(左)、アラン・アーキン(中)と共に暴れます。過激な暴力描写もなく、笑いもけっこう入っており、のんびり楽しめる映画です。ちょっと都合よく運びすぎる展開ですが、そこはコメディということで。最後は少しだけホロッとさせられますね。

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28年の刑期を終え出所したギャングのヴァル(アル・パチーノ、下左)。ヴァルを出迎えたのは、かつての仲間ドク(クリストファー・ウォーケン、下右)だった。だが、ドクには出所後すぐにヴァルを殺す命令が下っていた。

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昔一緒に悪事を働いた仲間も今やみな歳をとった。ヴァルとドクの関係が、ベタベタしすぎずいい。ヴァルはドクが自分を殺す命令を受けていることは知っており、もう生きのびようとも逃げようとも思っていない。ただ、一日を昔のように楽しく過ごそうとしている。老人ホームに入居していた昔の仲間ハーシュ(アラン・アーキン)を連れ出して、かつてのように楽しむ三人。

ステーキを食べ、若い女の子とダンスをし、娼婦を買い、仲間と車を飛ばし、安い食堂で話し込む。案外、人生の喜びとはこういったところにあるのかもしれない。

ちょっと脱線するけど、以前、宝くじで莫大な賞金を当てた人の記事を読んだ。彼は仕事を辞めて派手に賞金を使う。家や船を買い、コールガールを呼び、パーティーでバカ騒ぎする生活を続けた結果、破産した。破産後、彼の元をみんな去っていった。

破産後に、もっとも幸せだったときはいつかと訊ねられ「仕事が終わった後に仕事仲間とポーカーをやっていたとき」と答えていたのが印象的だった。仕事を辞めて、賞金を派手に使って遊んでいたときではなかったんですね。

で、残り少ない時間を楽しむ三人だった。ハーシュ(右)の夢はというと、一度3Pがしてみたいというですね、ええと、もうなんと言いますか、しょうもないジジイである。自分の心に素直な人とも言える。物は言いよう。

ハーシュのどうしようもない夢を聞いたクリストファー・ウォーケン(左から2番目)ですが、なんか怒ってない?

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アル・パチーノが若い女の子を口説いてダンスをする場面がありますが、とても良かったですね。年齢が離れている異性を口説いている様子を見ると、人によってですが、なんだか嫌な感じを持つことがある。若さを金で買うような、体と金の交換が露骨に見えてしまうからだろうか。でも、そういったいやらしさがない。どこか粋な感じすらある。アル・パチーノだからかもしれないけど。

アル・パチーノが明日、処刑されるというタイムリミットを設定することで、人生で本当にやりたかったことや、大切なことがくっきりと見えてくる。本当はわたしたちみんなタイムリミットを抱えているわけで、アル・パチーノは自分がいつ死ぬかを知っているけど、わたしたちはいつ死ぬかをわかっていないという違いがあるだけだ。あまり愉快ではないテーマかもしれない。だが、娯楽映画ですし、そんなことを感じさせず穏やかな気持ちで楽しませてくれます。

しかし、三人ともそれぞれかっこよかったですね。若いときがかっこいいというのは実は当たり前で、枯れてかっこいいというのはすごいことかもしれない。わたし、若いときもかっこよくなかったしなあ。老いたら妖怪になる自信がある。もうなりかけておる。


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